ハイテク情報艦を導入?
新聞に出ていたが、防衛庁が通信と情報収集能力を従来よりも大幅に高めたハイテク情報艦を導入することになったようだ。
防衛庁長官が、コロナドを見て持ち上がった話のようですから、ちと経緯に疑問もあります。
横須賀にいるブルーリッジに今迄無関心で、コロナドで始めて理解するんですから。
去年のテポドンの一件以来、俄かにミサイルの追尾能力を高めるべきだとの要請が高まっているが、今回の記事にあるハイテク情報艦はTMDの一環なのだろうか。
追尾と言う事では、オブザベーションアイランドみたいな大規模アンテナ搭載艦が必要ですが、これは正に正面のピケット艦ですから、指揮能力と同一にすると、実戦では危険でしょう。
本来の使用目的は何か。
アメリカの場合は、全世界の海洋を前提に、現場指揮を考えていますが、
日本の場合、災害派遣で、指揮所が現場にある必要性はどうでしょうかね。
アメリカは、何隻も指揮艦持っているので、1隻が船渠中でも対応できますが、
日本は多分この1隻で、もし船渠中に地震で潰れれば−戦艦天城(横須賀工廠)や、巡洋艦那珂(横浜船渠)、関東大震災で潰してます−意味ないです。
ただ、東京とかに指揮所をつくっとくより、残存性は有るでしょうね。
一部に言われる、海外派兵の要素、これは無意味な議論です。
アメリカがあの艦を持っているのは、既に存在する大規模な派兵の実力を、効率的に運用する為で、日本のように、それだけの部隊がない物が、旗艦だけ持っていっても意味ありません。
太平洋戦争までは、旗艦も戦闘艦ですから、1隻でもとりあえず戦力ですが、
今回の指揮艦は、戦時には護衛をも必要としますからね。
あと、実際問題、指揮艦なら、現在も護衛艦隊旗艦の存在があるわけですから、
まずは、これで効率的な運用を考えるべきでしょう。
どうも日本の閣僚は、現状や周囲の状況を知らずに、
見せられた物に飛びつく傾向があります。
さて、実際の行方は。
現在の自衛隊そのものの、指揮としては、既に存在する、旗艦や、司令部でほぼ十分でしょう。
あえて、1隻作る事となれば、今迄話題に載りながら、日の目を見ていない、災害派遣専用艦、要は、病院船のような船と抱き合わせで、作るのではないでしょうか。
ただ、既に建造・整備中の、掃海母艦「うらが」「ぶんご」、輸送艦「おおすみ」、およびその2,3番艦も、十分その任をこなせる艦ですから、日本の実態として、整備する事になるのでしょうかね。
今後が楽しみです。
新規作成日:2000年1月9日/最終更新日:2000年1月9日