海上保安庁の英文表記が Japan Coast Guard に

海上保安庁の英文表記が「Japan Maritime Safty Agency」から、「Japan Coast Guard」に変更になった。国際化が進む中、外国船舶へ捜査目的で向かったとき、Maritime Saftyでは、救難の感覚しかなく、警察行動の説明が困難であるというのが直接の理由らしい。 海上保安⇒海洋・安全⇒Maritime Saftyとしてきた「和製英語」の限界であろう。警備たるGuardの文字は必要なものだ。

が、Coastまでくっつけるのは、単純に諸外国にあわせただけでどうなんだろうか。外国の場合は、海軍(Navy)と海洋警察(CoastGuard)の守備範囲が平時から異なっているのだが、日本の場合、むしろ海上保安庁のほうが守備範囲が広いかもしれない。個人的には、「Japan Maritime Guard」の方が良かったような気がする。

では、海上自衛隊の方はどうなんだろうか。「Japan Maritime Self Defence Force」は、理解されているのだろうか。Self Defence、国を自分で守ろうとするのは当たり前の話で、他国に頼っている国などありはしない。Self Defence が、Self Service かと言うような、説明の苦労もあるらしく、現場では「Japan Navy」が普通らしい。もちろん、公式なお役所の文書としては、かたくなな表記のままである。

こう言った問題は、単に、国内の文章表記を、無理に作り上げようとする事に問題がある。かつて戦車を特車とさえ呼んでいた(もちろんSpecialCarではなくTankである)。そしてその弊害は、Destroyerを自衛隊では護衛艦と称することから、外国艦隊の駆逐艦が、護衛艦と呼ばれてしまったりする。そして更に「何を護衛するのか」から、「アメリカの空母を護衛する」などと、手近な単語と、希薄な知識を寄せ集めて、大きな声で報道されてしまうからやってられない。


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新規作成日:2000年4月27日/最終更新日:2000年4月27日