外国艦艇寄港に関する情報流通事情
外国艦艇が訪問する場合、直前にならないと、正式な発表が有りません。
巷では、情報が出回っているのになぜなんでしょうか。
本来、情報は、広く公開される事が好ましいのですが、色々複雑な事情も有ります。
私の所へも色々入ってきますが、各種事情により、本来止めておくべき物も有ります。
関係先へ片っ端から問い合わせると言う手段も有りますが、ある意味、(私も含めて)みんながみんなこうすると、関係先の迷惑と言う問題も有ります。
外国艦艇の訪問の場合は、当事国が、先ずは、その目的により、航海計画を立案し、そして、関係先へ打診します。詳細は分かりませんが、正式ルートは、大使館、外務省でしょう。
また、防衛庁・海上自衛隊へも、内々の打診は有ると思います。
ここで、艦艇の訪問と言うのは、通り掛かりに気が向いて寄港と言う事は無く、
諸外国の外交を担ってのものですから、何箇月も前に、決定されています。
少なくとも、かの国で印刷され、出港段階で積み込まれるパンフレットには、寄港予定日は印刷していますからね。
その意味で、早くから発表されてしかるべきなのですが、どういう訳が直前にならないと公式発表されません。
訪問に際して、確実に動く所は、外務省、防衛庁・海上自衛隊、所轄警備当局、港湾当局 です。
港湾当局は、バースの利用割り振りの都合が有るので、1ヶ月単位で公表しますが、これが、外務省には面白くないようです。
防衛庁・海上自衛隊は、ホストシップ派出や、親善訓練など、直接動きますから、早くから準備しないといけないのですが、外務省からの口止めで、公式発表を控えます。
所轄警備当局は、警備上の事由で、特に宣伝はしません。
外務省などが、口を閉ざす理由として、「確定していない為」と言いますが、おおざっぱな情報など、別に問題はない所なのですが、硬いですね。
ま、相手国により、各種問題を抱えている場合もあるので、隠したいと言う事情も判るのですが、それなら、その説明をすれば納得しますが、役人ぶって、割とあほらしい事を考えてますね。
困った事に、むしろ、防衛庁・海上自衛隊への公表制限をかける事が、指揮権のように誤解しています。
外交手腕の不足を、この様な方向に力を割いても意味有りません。
情報公開が叫ばれる今日、この様な事がスムーズに進んでこそ、親善訪問が本来の成果を生んで行くのですが。
⇒親善訪問と艦艇見学
新規作成日:2001年1月7日/最終更新日:2001年1月7日