軍隊が平和を守るのか、平和を脅かすのか

軍隊が平和を守るのか、それとも平和を脅かすのか。

一般に、どちらかの立場かで偏った判断と、一方的な主張がなされる。
幾つかの例を挙げ、それが全てを代表するかのように主張が展開される。

実際にはそんなに短絡的なものではあるまい。

軍隊は国家の保有する実力の戦力である。
実際に行使すれば戦争であり、流血を見る。

このとき、軍隊がなければ戦闘は起こらないが、それは平和という事でもない。
インド独立運動の時、ガンジーが提唱した「無抵抗主義」。
それまでの独立紛争とは違い、ガンジーは交戦をしなかった。
一方的な力の行使は、イギリスをして反省を促し、戦闘をへずしてインドの独立をもたらした。
しかし、インドの民衆に損害が全くなかったわけでもない。
また、イギリスに良識というものが存在しなければ、生起し得ない結果でもあった。

かつては帝国主義政策下、侵略が行われた。
これを遂行するには、強大な軍隊を必要とした。
これに対抗するには、また、軍隊が必要であった。
双方の覇権がぶつかる時、戦争が生起した。

現代社会においては、侵略という事は少ない。
しかし、各国その権益を守る為には軍隊を必要としている。
そしてまた、その周辺国も相応の対抗戦力を保有する。

戦力強化はすなわち、対抗戦力の強化に繋がり、軍拡が始まる。
賢い為政者は、両国の不信感を払拭し、無用の軍拡を防いでいる。

相手国の戦力は、攻撃力にも見え、脅威でもある。
それに対して、自国の戦力は、防衛戦力と主張しても、他国には必ずしもそのように映らない場合もある。

国境など、軍隊が対峙している場合、双方に攻撃の意志がなくとも、何らかの事故で戦闘が勃発する事もある。
偶発戦争という。
鳥の羽音に恐れをなした兵士が発砲する。それを相手の攻撃と誤認して発砲。双方が戦闘行動に出る。
無意味な戦闘だ。

相手の攻撃を予知し、対して先制攻撃をする。
攻撃を受けた場合、相手のペースでの戦闘となり、防戦に努めなければならない。
先に攻撃をかければ、味方のペースで戦闘が展開できる。
相手の戦闘準備が整わないうちの奇襲攻撃ほど、効果的なものはない。
ここで問題なのは、「予知」の実態である。

この世の中から、一斉に軍隊が消滅すれば、必要のない醜い戦闘はないかもしれない。
しかし、テロや民族問題等、未解決の問題も多い。

国際情勢を良く解析し、話し合う事も同様に必要な事である。


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新規作成日:2002年3月17日/最終更新日:2002年3月17日