ロシア国境警備隊「少将」の謎

5月21日未明、ロシア国境警備隊太平洋管区ユジノサハリンスク支部長のビタリー・ガモフ少将(39)と妻ラリーサさん(38)は、ロシア・サハリン州ユジノサハリンスク市の自宅に火炎瓶を投げ込まれて、大やけどを負い、札幌に搬送された。
その後、奥さんは、緊急手術の為、海上保安庁の航空機により、市立札幌病院から杏林大付属病院に転送された。杏林大付属病院はやけど治療で実績がある。
札幌医大病院に入院中のガモフ支部長は危篤状態が続いている。

さて、この事件報道で、ちと気になる点がある。少将でありながら39歳という年齢である。
国が違えば制度も違うので何とも言えない面も有るのだが・・・。
我が国では、将といえば、45歳より若い事はありえない。
通常50歳代である。

ちと気になるので確認した。

・まず、海上保安庁の広報室。
海上保安庁としては、奥さんの搬送に、北海道庁の依頼により協力しただけなので、掌握していない。

・海上保安庁第一管区海上保安本部 0134-27-0118
基本的に北海道庁からの情報であるが、複数の情報源より、確認しており、階級、年齢とも、正当である。

・北海道庁 011-231-4111
外務省よりの情報である。

・外務省
ロシア大使館からの情報であるから、ロシア大使館へ確認して欲しい。
日本語で「少将」と言ったのか、外国語であるか、担当者の要確認。
と言う事で、一番責任が有りそうな割には、無責任な回答である。
しかも、担当者の要確認後の回答が、いまだに来ない。

・ロシア大使館
Major Generalで、少将らしい。

さて、海上保安庁の観閲式などに良く来日するマジーリン少将は
ロシア国境警備隊 Rear Admiral Контр-адмиралである。
Major Generalなら、陸であり、Генерал-майорなのだろうか。

しかし、中間の役所はどこも無責任な物で、「大統領だ」と言われたら、猫でもあがめそうな雰囲気だ。


ロシア国境警備隊は、ここ数年、カニやウニの密漁者に対する摘発を強化しており、密漁にかかわりの深いロシア・マフィアと対立を深めていたという。
今年4月からは海上保安庁などとも連携して取り締まりを強化したため、これに反対するマフィア関係者による犯行という見方も現地では出ているという。
ガモフ支部長は、今月15日、稚内・宗谷岬沖で開かれた、北海道とロシアの「日露洋上会談」に出席。ロシア漁船のカニ密漁について、これまで以上に厳しい姿勢で臨む方針を述べたという。


その後の調査で「少将」であることが確認できた。
旧ソ連では、スターリン粛正の影響で経験豊かな将官がいなくなり、若年でありながら高級幹部に昇格する人事が行われており、現在でも、超エリートコースが存在することとなっている。


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新規作成日:2002年5月24日/最終更新日:2003年1月12日