インド・パキスタンの紛争事情
インド・パキスタン、そしてセイロンとバングラデシュの地域は、かつてイギリスの植民地だった。
太平洋戦争後、ガンジー主導の独立運動により、独立を達成した。
しかし、このとき、ガンジーの望む単一国家とはならず、宗教を中心として、ヒンズー教のインド、イスラム教のパキスタン、仏教のセイロンと言う、3国に分離独立した。
そして、インドを挟んで東西となっていたパキスタンのうち、東パスタンは、バングラデシュとなって独立した。
インドとパキスタンは、南北に長い国境線を有し、独立当初から、紛争が続いている。
1947年〜1949年 第1次印パ戦争
1965年〜1966年 第2次印パ戦争
1971年 第3次印パ戦争
また、核兵器の開発にも熱心で、両国拮抗し、数年前には、両国時期を同じくして核実験を行い、国際非難を浴びている。
さて、今般、カシミール問題が再燃し、両国の国境でのにらみ合いから砲撃戦が展開している。
また、パキスタンでは、核運搬能力を有する弾道弾が3種、発射実験を行った。
これに対し、インドでは、当面自制の態度を見せている。
国境紛争は、時として、両国の全面戦争に発展する。
国際紛争を解決する手段たる戦争は、あくまで最終的な物で、無傷の勝利は臨むべくもなく、失う物も大きい。
時の為政者で、この見積りを甘くして国を危うくした者も、少なくない。
軍事力の強調、兵器の実験などは、かつては国力の示威でもあった。
しかし、相手がひるまない場合、返って危険な要素も含んでいる。
事の発端たるカシミール問題も、なかなか集結点を見出せない。
とはいえ、ここで両国がしのぎを削る要素は何であろうか。
パキスタンでは、軍事政権が、平和裏に民主政権に移行しようとしている。
しかし、現在、国内では、経済問題などが山積している。
政権側として、国内世論を統一する一つの手段は、攻撃の矛先を外に向ける事である。
その一つが、国威高揚の為の兵器実験であり、インドへの圧力である。
しかし、相手たるインドが、甘んじて引き合いとなっている状況で終れば良いのだが、国内テロなど看過できない要素も大きい。
事、ここに至って、両国引くに引けない状況が形成されてしまうと、軍事衝突に発展せざるを得ない局面もあり得る。
⇒ 印パ戦争
新規作成日:2002年5月28日/最終更新日:2002年5月28日