回答内容(社会民主党)

2002.6.25社民党政審事務局より回答を頂いた

以下、回答内容と、それに対する疑問、考察、および、2002.6.25の補足回答

> お問い合わせの点はどれも非常に大きな課題であり、簡潔にお答えをすることが難し
> いものです。
> 単純にお答えすることは誤解を生む可能性が大きく避けたいのですが、一応回答を試
> みます。
> その旨お含みのうえご理解いただければと思います。

これは、双方のコンセンサスからして差異を埋める必要も有り、当然であります。
また、単に言葉じりで揚げ足を取っても意味がありませんので、議論が必要だと思っ
ております。


> ・日本の国旗(日の丸)、国歌(君が代)の問題
>  社民党は国旗国歌の押しつけには反対です。国旗国歌は法律で決めて強制的に掲げ
> させたり歌わせたりするものではありません。自分の国の国旗や国歌を自然に敬うこ
> とができないという人がたくさんいて、日の丸君が代に対して大きな反対があるのは
> なぜかよく考えることが必要だと思います。
日教組主導で、国旗国家の反対を、児童生徒に教育しつづけた悪い結果だと理解して
おります。
ワールドカップの会場など、日本国旗の山を見れば、少なくとも、日本国旗は、日本
の旗印として十分認知されていると考えております。

2002.6.26追加
> 日本の国旗(日の丸)、国歌(君が代)の問題
> 国旗国歌はすでに法制化されています。
> 社民党は反対しました。


> ・憲法9条の解釈
>  憲法9条は本来戦争を放棄し戦力を持たないことを定めています。普通に読めば、
> 戦争をせず武器も持つことができないことは当然です。
それも一理ですが、国民の生命財産を守る手段は必要でも有ります。

2002.6.26追加
> ほとんどの戦争は防衛を名目として行なわれています。
> 「国防」ならよいということにはなりません。
> 「本来、法律とは人の為にある。
> 人の為に触りが有るのであれば、修正すれば良い」
> とおっしゃるのはその通りだと思います。
> 9条に反対なら正々堂々と9条改正を提起すれば良いのです。
> 修正できなから解釈を曲げて良いことにしてしまえというのが
> 現在のやり方でこのような姑息な方法はやはり認められません。

> ・自衛隊の存在可否と必要性
>  社民党は長く自衛隊を違憲と考えてきましたが、現在では必要最小限の防衛力とし
> ての自衛隊を認めたうえで、軍縮を進めることを訴えています。すでに他国から大規
> 模な着上陸攻撃を受ける可能性はなく、現在の自衛隊の存在の必要性は低まっている
> と考えます。緊急事態への対応について自衛隊の武装を強化する必要はなく、政府の
> 対応能力の向上こそが必要です。災害対策等はそれ専門の訓練や装備を持つ非軍事組
> 織を作る方がより効率的と考えています。テロ等は軍事力で対応すべきものではなく
> 警察力で対応するべきものです。
前項と絡みますが、この見解が、結局、前項の回答にもなるのではないかと思ってお
ります。
また、本質を捉えずに「軍」と言う言葉を嫌う上での「自衛隊」と言う、意味のない
風潮にも問題が有り、やがて、では「自衛予備隊」などという逃げ方も発生しようか
と考えたりします。

2002.6.26追加
> あらゆる理想は最初は荒唐無稽な夢想とされます。
> 理想に向けた努力がなければ、何も変えることはできません。
> 社民党は自衛隊をなくせといっているのではなく、
> 災害、国際援助などは、それ専門の装備と訓練を行なった部隊を組織
> したほうがコストパフォーマンスが高いことは明かです。

> ・太平洋戦争の大陸での戦いの虐殺などの問題点の認識。
>  日本軍が先の大戦で一定の残虐行為をしたことは事実です。いまだよくわかって

> ないことも多く、早期に詳細な調査を行なうべきです。過去の反省をあいまいにし

> きたことが日の丸・君が代への反発にもつながっており、事実調査がきちんと行な

> れていないため、日本軍の行為についていまだに議論が続いています。問題を虐殺

> 規模などに矮小化するべきではなく、謝罪すべきは謝罪し補償すべきは補償するこ

> でしか日本が周辺諸国の信頼をかちとる道はありません。30万人でなくて300

> 人ならいいとか、他の国も侵略していたから日本も侵略して良かったということに

> なりません。反省すべきを反省するという態度は自虐でも何でもなく、名誉ある態

> だと考えます。
まさに、正当な調査が必要であり、いまだに結論が出ていないことが問題でも有りま
す。

2002.6.26追加
> 過大評価も過小評価もするべきではなく正確な歴史的事実を踏まえる
> ことが必要だと考えます。社民党は超党派で戦争被害調査会法
> (正確には国会図書館法改正案)を提案していますが、このような
> 中立的な立場で事実を調査しようという試みを常に妨害しているのは
> いわゆる「右」の勢力です。本来の「右」は、公正に事実を調べて、
> 謝罪すべきは謝罪するという潔いものだと思うのですが、
> 事実を調べさせないという日本の右派勢力の姿勢はまったく理解できません。

> ・大陸での拡大
>  ご質問の意味がわかりません。
15年戦争の経緯としての大陸拡大政策についての見解を求めたものでした。

2002.6.26追加
> 当時の欧米列強が植民地支配を広げていたことは事実であり、
> 日本だけが非難を浴びているとすれば納得がいかないのは当然です。
> しかし、だからといって日本の侵略が許されるわけではありません。
> 自分の罪を批判された時、「他の人もやってるじゃないか」というのは
> 言い逃れにすぎず、信頼される態度とは言えないのではないでしょうか。
> みんなが悪いことをやったのだから、自分の罪もいいじゃないか
> という主張は私は恥ずかしいものだと感じます。

> ・日米開戦の経緯
>  様々な議論があることを承知していますが党としての見解はありまあせん。
>
> ・対米戦争の正当性
>  どちらにもそれぞれ言い分があり一概に是非を論じることはできません。日本が

> 米開戦に追い込まれていった経過は複雑であり、そのすべてを否定的に言うべきで

> ありませんが、いずれにしろ日本にとって無謀な戦争であったことは間違いありま

> ん。
本題とはことなるのですが、21世紀の我々から見れば、結果として無謀であり勝ち
目のない、悲惨な戦争でしたが当時の日本として、どのように考え、道が有ったか
も、議論が必要だと考えております。
これは、19世紀の外科医療を「消毒しもない野蛮な治療」とかたずける事の意味と
同じ物が有り、当時の人々への冒涜にもつながります。

> ・アメリカによる戦略爆撃の正当性
>  いかなる意味でも無差別爆撃は許されず一般的な人道に反するだけではなく(当

> の)国際人道法にも明確に反するものです。スペインのゲルニカが無差別爆撃を受

> た際(1937)、世界中が憤激しフーバー米大統領も「非戦闘員の殺傷が不正であるこ
> と」を訴えましたが、そのアメリカ自身が日本を無差別爆撃した事実は極めて重い

> ではないでしょうか。その後、国際法の整備はさらに進み、現在では無差別爆撃が

> されないことは当然の前提となっています。

2002.6.26追加
> 戦争のルールを定めた様々な国際法があります。
> すでに20世紀冒頭には「陸戦の法規慣例に関する条約」が結ばれており、
> 現在ではジュネーブ条約やその追加議定書など様々なルールが確立
> しています。そうしたルールを守らない軍隊は軍隊とはいえず単なる
> 武装した賊です。かなり恣意的な運用がされてはいますが、
> 米国などもこうしたルールに適合させる努力をしており、
> 米軍の軍事展開に大きな制約条件となっています。
> 戦争なら何でもありとはいえず、これを許してはならないと思います。

> ・原子爆弾投下の正当性と犠牲者への責任の所在
>  1945年に入ると、 日本の敗戦は誰の目にも決定的になっており、原爆を使
わな
> くとも降伏は時間の問題でした。 実際、 日本はドイツが降伏した直後からさまざ
まな
> チャンネルを使って、降伏条件を探っており、アメリカ政府も 日本が降伏の機会
をう
> かがっている事実を知っていました。日本への原爆投下は、 政治的な意味も軍事
的な
> 意味もない、 無意味な大量殺戮でしかありませんでした。まったく正当性はなく
完全
> にアメリカの責任です。
この2項、詳細部分、異論は有りますが、大局として、本来こう考えるべきで、その
責任問題は、どこへいっちゃったんでしょうか。
また、この反省として、アフガンなどへの米軍侵攻には、かなりの制限も加わるべき
ではと考えもします。
その意味では、テロの是非は別として、イスラム社会の実力組織の主張に、正しさも
考えております。
余談ですが、9/11の事件がために、アフガン復興会議による、某議員の問題が巻き起
こり、結果、数名の議員が糾弾され、不正も明るみに出てきている今日を見れば、ビ
ンラーディンは、我が国政治の浄化救世主と言う見方も出来ます。

> ・戦後処理の正当性
>  日本の戦後処理の時期が冷戦期に重なったために、日本の戦後処理は東西ブロッ

> に分かれた国家間の利害が交錯し複雑なものとなりました。様々な問題は残しなが

> も着実に処理を進めてきたと考えます。対北朝鮮や対ロシアなどいまだに大きな課

> が残されています。 
これについても、総括が必要かと考えます。

2002.6.26追加
> 東京裁判が、戦勝国による処理に過ぎないというのはその通りだと思います。
> 逆の立場から、戦勝国の都合に歪曲された裁判を批判する
> 意見もあります。例えば天皇を免責したのはアメリカの都合に過ぎず、
> 天皇も裁くべきであったといったものです。

> ・周辺諸国への、謝罪問題。どこまで解決し、何が未処理か。
>  国家間の補償はおおむね完了していますが、被害を受けた個人個人の方にとって

> 何の補償も得られていないことがほとんどです。日本の有力政治家が日本の責任を

> 定する言動をしたり、被害者の心を逆なでするようなことも目立ちます。従軍慰安

> にされたり強制労働をさせられたりといった具体的な被害者の理解を得られるよう

> 誠心誠意の謝罪が必要ではないでしょうか。
これについても、事実確認から、問題が残っていると考えており、早期に総括が必要
かと考えております。

2002.6.26追加
> 北朝鮮政府との賠償問題は解決していません。。
> 国家の戦争行為に対する個別の請求権については議論がありますが、
> 賠償をしてはいけないという理屈はありません。
> 多くの国が個人に対して賠償をしており、日本政府の姿勢が他の国の
> 姿勢と比べて明らかに後ろ向きだという比較の問題もあろうかと思います。

> ・靖国神社と英霊の問題
>  すべての日本兵士が靖国神社にまつられているわけではありません。本人や遺族

> 靖国には入らないと言っていたクリスチャンや仏教徒も大勢います。宗教法人の一

> にすぎない靖国神社にすべての「英霊」がまつられていると考えることには無理が

> るのではないでしょうか。もちろん靖国神社に心を寄せる方が多いことも事実であ
> り、特にそれを否定するものではありません。
戦後、宗教法人として、価値が半減したわけですが、それ以前の価値観との差も、勘
案する必要を感じております。
また、国の安泰を信じて亡くなった、多くの英霊を奉ると言う前提が有るわけで、あ
る意味辞退した人がいるからと言うのは、意味が違うと考えます。
また、黙とうは、特に宗教的色彩を持っていないとされていますが、これも、人間が
決めた宗教儀式ではないでしょうか。

2002.6.26追加
> 東京裁判にどのような問題があるかは別にして、日本政府は公式に
> 東京裁判の結果を受け入れています。
> 靖国神社に対する国民の意見は多様であり、一致しているとはいえません。
> 靖国神社は英霊全てを奉っているわけではありません。
> 例えば西郷隆盛は賊軍として靖国神社に祀られていませんが、
> 靖国神社は一宗教団体として誰を祀るか判断しています。
> 国として特定宗教を特別扱いするするのは政教分離の原則に反します。



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新規作成日:2002年6月26日/最終更新日:2002年6月26日