トマホーク発射地域は戦闘地域か
調べ物をしていたら、面白い記事を見つけた。
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「トマホーク発射は戦闘行為じゃない」―中谷元防衛庁長官 朝日新聞 10月15日
2001年 10月15日 通巻 1089号
トマホーク発射は戦闘行為なのか?
15日の衆院テロ対策特別委員会で、米軍がアフガニスタン攻撃に使用している巡航ミサイル・トマホークをめぐって、珍妙な論戦が繰り広げられた。
山口富男氏(共産)が「発射している米艦船は戦闘地域ではないか」と質問。
テロ対策特措法案で、自衛隊の活動地域が「戦闘行為が行われていない地域」に限定されていることとの関係をただした。
中谷元・防衛庁長官は戦闘行為の定義が「人を殺傷し、物を破壊する行為」とされていることを理由に、「(その場では)そういう行為は行われていないからミサイル発射は戦闘行為ではない」と答弁。
納得しない山口氏に、津野修内閣法制局長官は「現に発射していない時間帯も十分にあるから、いろんなことはできる」と述べ、米艦船への自衛隊の給油や整備活動は可能との見解を示した。
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??? 言葉の意味というのは、数学のように普遍的なものでは無いのだが・・・。
狭義の戦闘地域とは、どんぱちをやっているその場面であろう。
更に限定して言えば、どんぱちが収まっている間は、非戦闘地域でもあるだろう。
休戦協定が締結されている朝鮮半島は、双方休戦協定を守っている以上、非戦闘地域ともいえるが、あくまで終戦ではないから「戦闘地域」のままであるともいえるだろう。
現在、韓国旅行は「危険地域」の指定にもなっておらず、平和な一国としてわが国は扱っている。
しかし、北緯38度線の休戦ラインを含め、軍は臨戦態勢である。
そして工作活動は今も活発に行われており、しばし戦闘も発生している。
が、日本国民は韓国をして「戦闘地域」とは呼んでいない。
ミサイルの射程が延びると、話が厄介になってくる。
大陸間弾道弾や、巡航ミサイルは、そもそもは敵の弾の届かないところから発射し、味方に損害が無いまま相手を攻撃できるものだ。
「敵の弾の届かないところ」すなわち、非戦闘地域だからこそ、安心して攻撃が行えるというもの。
太平洋戦争当時、日本本土は空襲で惨憺たる状態となったが、アメリカの本土は、緒戦のハワイと、風船爆弾による若干の損害を除いて、無傷である。
交戦国である以上、その領土と、その間の海域は、攻撃を受けるリスクがあり、戦場であるといえる。
しかし、米国本土は、戦場と言う状態には至らなかった。
ここで、米国本土は、「戦闘地域」なのだろうか。
国を挙げて、反撃に当たっているから、「戦闘地域」だろう。
しかしながら、銃声を聞かず、国土の損害が無ければ、「戦闘地域」とは言わないだろう。
女子供も、軍需工場で汗を流す。これも立派な戦争だ。
その軍事工場を破壊するのも、戦略爆撃としたれっきとした戦闘行為である。
アメリカのミサイルに、日本のビデオカメラが流用されて問題となったことがあったが、今や兵器の開発製造は一国のみで収束しない。
軍需物資を含めて、供給源は、戦闘地域ではないといえるのだろうか。
自衛隊の活動地域が「戦闘行為が行われていない地域」であるべきなのは、攻撃を受けるリスクが無いことを指している。
その意味では、長射程で、一方的な攻撃の舞台は、戦闘地域とは言わないだろう。
逆に、すべての戦闘支援行動を含めて言うなら、地球上の「非戦闘地域」は、南極大陸以外には存在しないだろう。
言葉尻を捉えても意味の無いことだ。
本来の求めるべきものを見極め、的確な解釈をすることが大切だ。
新規作成日:2004年2月16日/最終更新日:2004年2月16日