海上自衛隊に空母は必要か

次期DDHが、全通甲板型となり、いよいよ海上自衛隊も、空母保有かという声がささやかれている。
次期DDHは、13500t程度とされるが、大きさでは、スペインやタイの、軽空母と変わりはない。

さて、空母といっても何種類かある。
アメリカの持つ原子力空母。艦載機100機の運用が可能だ。
そしてその通常動力版。核を使わないというだけで、アメリカの試算では、原子力動力のほうが経済的だという。
フランスなどは、中型の空母を持っている。搭載機数は40機程度だ。
現在のイギリスでは、STOLV(VSTOL)機とヘリを30機程度運用する。
現在の海上自衛隊では、DDHとしてヘリコプターを3機運用している。

それぞれ、大きいほうが効果も高いが、費用もかさむ。

マニアの一部では、早く空母を、と楽しげに言うが、プラモデル艦隊では無いのだから、必要かつ十分な理由が必要だ。

話がそれるが、仮に、キャンピングカーをタダでもらえるとしよう。
結果、ありがたいだろうか。
駐車場や、税金、その他維持管理に莫大な費用が必要だ。
しかし、利用価値はというと、大して必要ではないだろう。
費用対効果というのは大きな問題なのだ。

空母の本質は、航空兵力を、任意の海上に展開できるということだ。
アメリカの空母では、約100機という搭載機は、中小の空軍力にも匹敵し、その洋上展開は強力なものだ。
しかしながら、攻撃的色彩も強い。

海上自衛隊の場合、何のために必要なのだろうか。
DDHの流れは、あくまで対潜哨戒だ。
もちろん、大型化することにより、災害対処能力の拡大も言われるが、それは副次的なものだ。

対潜哨戒で言うなら、シーレーンの防衛である。
それは敵国沿岸から離れた洋上であるべきだ。
敵国沿岸のシーレーンなど、そもそも守りようが無いのだ。
とすれば、その行動海域は太平洋インド洋だろうか。

その海域で、効率的な運用というなら、あくまで哨戒ヘリで事足りる。
アメリカの空母でさえ、最近では固定翼対潜哨戒機の任務は減っているのだ。

空母といえば、戦闘機がつき物だが、果たして必要になるのだろうか。
敵制空権下であれば必要だが、洋上遥か沖であれば、空中戦を演じる機会も少ない。

ましてや対艦攻撃の機会など、更に少ないだろう。

艦艇搭載の対艦ミサイルの射程は約100km、しかし、艦載のセンサー単体では、その射程を最大に利用することは出来ない。
衛星や、航空機などの、他の情報に元づいて初めて、価値が出る。

そのための、哨戒機、早期警戒機の搭載は、価値はある。

海上自衛隊の将来のビジョンはわからない。
水面下の研究は、まだまだ国民には知るよしもない。

しかし、単なる外見上や、個人的好みで議論することはまったく意味はない。

現状を分析し、必要性を論ずれば、自ずと見えてくるものである。



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新規作成日:2004年9月15日/最終更新日:2004年9月15日