郵政民営化と自衛隊の郵政事業参入

郵政民営化は、国会以前に、政府、自民党の間で不毛の議論が続いている。
「役所で出来ないことを民間で」といえば聞こえが良いのだが、「役所でやらない」のは公務員の驕りたかぶりであって、民間同様に一生懸命に働かせれば済む話だ。
しかも郵政は、早くから役所離れした組織となっている。
別に公務員給与に、歩合制、独立採算制を取り入れたっていい話だ。

さて、こういったくだらないことをやっているから面白いことに思いついた。
自衛隊に郵政事業に参入してもらうのである。
何を馬鹿なことをというだろうがまあ読んでみて貰いたい。

国際緊張緩和の元、自衛隊もスリム化が求められている。
しかし、一朝有事の際、そのスリムな状態で十分かといえばお寒い限りだ。

これが国民皆兵の時代なら、動員をかけて補充すればよいのだが、平和ボケした日本では、頭数だけ揃えても何の役にも立たない。
ハワイやグァムに旅行して、面白がって銃を撃ってみる者も多いが、あくまでお遊びで、銃器の取扱を習熟しているわけではない。
隣の国韓国は、いまだもって北朝鮮と戦争状態にあり(あくまで休戦のままである)、徴兵制度がしかれ、国民(男性)のほとんどは銃器の取扱を知っている。
その意味では、日本の場合、自衛隊員の定員削減は、非常に問題が大きいのである。

一方、定員は、予算の都合もあり、削減が求められる。
誤解をして欲しくないのだが、直接必要としていない時期には、多くを抱えたくないということである。
自衛隊は、平時においても訓練に励み、各種民生協力に働いている。
しかしながら、国防という一面で見れば、創設後全く実働していない。
これは本来はありがたいことなのだが、これをもって、なくても良いと考えるものが多いのは、知的障害のレベルでもある。
(細かく言えば、スクランブルや警備行動も実働ではあるが、交戦経験がないという点をここでは実働とする)

さて、自衛隊には、実は大きな輸送力がある。
しかしながら、これとて不十分な側面があり、たとえばスマトラ沖地震に際して、航空自衛隊はC130を一機しか派遣できなかった。
そこでだ。
この輸送能力を抜本的に見直すのである。

ここで、自衛隊の郵政事業参入があるのである。

陸上自衛隊のトラック輸送、海上自衛隊の船舶輸送、航空自衛隊の航空輸送を確固たる幹線輸送体系とするのである。
「そんなもの自衛隊でやらなくても民間でやれば済むだろう」という声が上がるがそうではない。
自衛隊員として組織されることにより、武器の取扱に精通した要員が増強できる。
組織体力が大きくなれば、代替能力が大きくなり、安定した運用が可能になる。
たとえば、従業員1名のお店なら、風邪でもひいたら臨時休業だろう。
人数が多ければ、他のメンバーが代ることが出来る。
これは人間のみならず、車両、航空機などについてもいえる。
もちろん、現行の定員、装備のままではこなせるものではないから、これを抜本的に見直すのである。

車両、航空機、船舶の運航は、これ自体が訓練項目である。
南極観測支援の「しらせ」などは、遠洋航海経験の側面が大きい。
自衛隊の船舶航空機は、燃料費高騰で、訓練もママならないと聞く。
しかしながら、定期輸送が本務となれば、きっちり運行が行われ、訓練にもなるわけだ。

そしてこの輸送力を基盤として確保することにより、あらゆる有事に即応できるようになるのである。

有事立法で、民間輸送力動員が問題になったが、これにも部内で対応できてしまうことになる。
災害派遣や物資輸送も、このキャパシティがものを言う。

もちろん、実際には、部隊組織や、職務等により、簡単にはいかないだろう。
しかし、頭を使って適応を考えれば済む話だ。

たとえば、海上保安庁の法律には、海上保安庁職員は軍隊として組織訓練されるものではないと明記されているが、自衛隊法の中に、郵政事業の参入を禁止する条項はどこにもない。
もちろん、平時において郵政事業に一部参入するという規定も、今は明記がないが、そんなもの、今回の、海外派遣等の本務格上げのついでに書き込んでしまえば済む話だ。




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新規作成日:2005年5月12日/最終更新日:2005年5月12日