Made in Japan のありがたみ

製品の「Made in Japan」の表示は、製品の信頼性を示す代名詞ともなっている。
しかし、戦後20年ほどまでは、欧米からは「安かろう悪かろう」と粗悪品の代名詞でもあった。
経済成長とともに、技術立国となった日本、製品の品質では欧米と肩を並べ、あるいは先を行く存在となっている。

しかるに「Made in Japan」の表示を見れば、それで信頼する。
対して、「Made in China」「Made in Taiwan」などの発展途上国の表示を見れば、「安かろう悪かろう」という評価に走る。

しかしだ、国際化が進む今日、「Made in Japan」の表示はどこまで有効なのだろうか。
そもそもわが国の中で原料から製品に仕上がるものはほとんどない。
製品を分解してみれば、さまざまなメーカーの部品が混ざっている。
大手電気メーカーといえども、部品のいくつかは、他の大手電気メーカーのものを平気で使う。
当然のことながら、国産に限らず、海外工場のものも多い。
すなわち、一国、或いは一メーカーの範囲では製品は出来上がらないのである。

すなわち、「Made in Japan」は、日本国内で、組み立てられたと言うことに過ぎない。
正確に言えば、最終製造工程を日本国内で行ったということだ。

もちろん、「Made in Japan」を言えば、使用する部品の検査の信頼性も含め、製品としての信頼性を保証する。
しかし、同様に、例えば「Made in China」であっても、日本企業の現地工場なら、日本企業が製品としての信頼性を保証する。
されば、実際は変わらない。
人件費が安い分、製品価格が抑えられているだけなら消費者としてはありがたい。

逆に言えば、「Made in Japan」であっても、実際の作業員は、外国人だったりする。
ある意味、「Made in Japan」の表示に対する、詐欺でもある。
もちろん、法的には詐欺ではなく、なんら問題はないのだが、「Made in Japan」の先入観から見れば、看板に偽りのようなものだ。

日本人は一般に勤勉で手先が器用であるが、当然個人差もある。
人種差別を言うつもりはないが、人種や国民平均での優劣は存在する。
が、あくまで平均値であって、日本人でも不器用なものもいれば、未開人でも若干の訓練で器用さを発揮する人もいるだろう。

と考えてくると、「Made in Japan」のありがたみは、単なる心理的な気休めに過ぎないようだ。


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新規作成日:2005年5月27日/最終更新日:2005年5月27日