撤退と撤収
イラク派遣延長を巡って再び議論が始まった。
いずれにせよ、国際情勢を見極めた政治判断と、国を代表する活躍に期待したい。
ところで、NHKを含めマスコミや政治家こぞって、撤退と撤収がむやみに使われているので気になっている。
撤退とは、作戦上の都合で、当初の予定に反して引き揚げること。
撤収は、作戦が終了し、引き揚げることだろう。
引き揚げる、帰ってくることに変りはないが、その要素は大きく違う。
細かく考えれば、所期の成果を揚げ、延長せずに戻ってくるなら「撤収」だ。
逆に、状況が不安定となり、危険が迫っていれば、「撤退」だろう。
米英軍が任務を全うして撤退するなら、自衛隊は撤収するのだろうか??
任務を全うしたなら国籍に関わらず、撤収だろう。
巷ではどっちでも意味は同じかもしれないが、現地で働く人にとっては、撤退と撤収の言葉の差は大きいものと思うのだがいかがなものだろうか。
「名誉ある撤退」という言葉がある。
戦いで、特に武士の時代から日本軍の場合、退くということほど不名誉なことはない。
敵に背を見せるなどありえない話だ。
が、その場の戦闘にこだわらず、全体として成果を得るために、その場を退く。
これを称して「名誉ある撤退」という。
太平洋戦争中旧軍ではそれまでの勢いから撤退とは言えずに転進と言い換えていたくらいだ。
それほど撤退は深い意味があるはずだ。
攻撃を受けたら撤退、任務終了したら撤収だ。
きちんとした命令が発せられない人たちにシビリアンコントロールなんぞ任せられない。(^^ゞ
政治家やマスコミの圧倒的多数は言葉の意味を理解していなのだろう。
一部においては、卑しめるために、故意に使っているのだろうが、姑息というか、レベルの低さを自己表現しているだが。
芸能界の風習は別にして、朝起きたら「おはよう」、夜に会ったら「こんばんわ」が言葉の常識、朝起きて「こんばんわ」、夜に会って「おはよう」なんて言っていれば、オツムの程度を疑われる。
新規作成日:2005年12月9日/最終更新日:2005年12月9日