ミサイル艇誤射の問題

2006.9.5 青森県むつ市の海上自衛隊大湊基地において、訓練からもどったミサイル艇より、20mm機関砲弾が発射され、家屋等に損害が発生した。
幸い、人的被害が無かったが、一歩間違えば惨事になりかねず、再発防止に向けて万全の対策が求められる。

この一連の中で、大湊地方総監部から、青森県に対しての報告が、事件後一時間を要したことが問題となっている。
確かに、迅速な報告は必要だ。
が・・・。
誤射でまずパニックになるのは、現場そのものであろう。
想定外に弾が飛べば、びっくり仰天。呆然と立ちすくむ姿が目に浮かぶ。
この後、現場責任者、ミサイル艇の艇長が集まり、何が起こったかの確認があるだろう。
この間5分で終われば早いほうだ。
その後、上部機関たる、第一ミサイル艇隊へ報告が上がり、更に、大湊地方総監部に報告が上がる。
それぞれの部署で、報告と確認が5分10分かかれば、おのずと30分近く経過する。
運良く、各責任者がいればよいが、不在であれば、代理が受けて、責任者を探す動作を伴う。
伝言ゲームで一言伝えればよいというものではないだろう。
その意味では、一時間が、決して最速とは言えないとしても、別段遅すぎる範囲ではないだろう。
市民感情としての「感覚論」と、必要な所要時間とは別物である。

事故による連絡体制は確立されているべきだが、およそすべての事故を想定するには限度があるだろう。
警察官が飲酒運転で検挙された場合の報告体制など、そもそも整っていること自体が論理矛盾である。

実際問題、関電工工事現場のトラブルで、発注もとの東電へ中継する「だけ」で、一時間かかる事例もある。


そしてまた、防衛庁内局が、声高に叱責する姿もおかしなものだ。
確かに、建成上、内局が、制服を統括する。
が、そんな話は、防衛庁・自衛隊内部の話だ。
防衛庁内局が、ひとごとのように、制服を叱責し、それで事が終わったような錯覚ではたまらない。
内局、制服、一丸となって、事実関係を調査分析し、不備を補って再発防止に当たるべきである。
その、監督責任を全うし得なかった内局は、まずは自らの力不足を国民に謝罪すべきであって、制服への苦言を報道して終わるというものではない。




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新規作成日:2006年9月19日/最終更新日:2006年9月19日