海上保安庁観閲式を横切った白い船
2007.5.26-27 東京港外で海上保安庁観閲式が行われた。
この5/26、観閲が始まる前、観閲船隊の前を横切ってゆく白い大きな船があった。
ASIA INNOVATOR(元わかなつおきなわ)である。
これをして、ネットではマニアが大騒ぎしている。
該船は不躾とか、不届きとか、乱暴とか^^。
そういえば、前回の自衛隊観艦式でも、艦隊の真ん中を観閲航行していった奴がいたが、今回は若干事情は異なる。
この手の船、実は当日2隻いて、もう一隻のASIA ACE(元かりゆしおきなわ)は沖どめ。
該船のASIA INNOVATOR(元わかなつおきなわ)は、東京港東航路から出てきた船だ。
船は右側優先なので、本来は観閲船隊に優先権がある。
そのため該船は、本来は、先頭のいずの船尾をまわる必要がある。
が、観閲船隊は隊列を組んでいるので、この各船を避けながらまわってゆくと、かなり遠回りすることになる。
また、港湾では、出港船が優先という決まりもあるので、あの場合はかなり苦しい事情を伴っている。
該船ASIA INNOVATOR(元わかなつおきなわ)は、東京港東航路から出てきたわけだが、この段階では、観閲船隊は、待機海域で停泊している状態だったから、別段の問題もなく増速して出港してゆくつもりをしただろう。
観閲船隊がこれをどう見たかはわからないが、定刻に隊形を整えてゆく。
と、ああいう結果となったようだ。
乗っている艦船マニアには、観閲式の式次第は全て熟知の内容だが、無関係な船にとっては、制限海域の制限期間は認識しても、その前後にいつどういう動きをするかは知っちゃあいない。
むしろ、海上保安庁の職員たる港長に、出港の航路申請をしているわけで、こういった情報が活用されていないとすれば、むしろその方が問題だ。
もちろん、航路申請は、この場合東京港東航路だが、その後東京湾を出て行くのは連動して当たり前の話であり、有機的に理解されなければならない。
無線を聞いていた者には、「両舷停止」などの船橋の緊迫した声を聞いたようだが、衝突の危険があるなら、衝突警報を発するわけで、速力調整で十分回避した範囲であろう。
間もなく観閲式が始まると構えていて「急に現れた」と感じた乗客は別にして、船橋では、双方の位置関係を見ているわけで、事前に無線で調整する必要もあるが、一般に、双方の思い込みと誤認で、あれよあれよというまにぶつかってしまうこともある。
むしろ、時間に合わせて増速したのは観閲式の進行上の都合で、該船の主張は、通り抜けるまで増速するなよって話もある。
観閲式の制限海域は警戒船が配置されているが、観閲船隊は待機海域から制限海域へ入る際で、こういった場合が、想定外であったともいえる。
実際、東京港東航路が存在するがために、待機海域と観閲式の制限海域は不連続となっている。
昔は東京港東航路から、休日の日中ににあれほど大きく速力の出る船は居なかったことだし。
海上保安庁観閲式海域
赤線がASIA INNOVATOR(元わかなつおきなわ)の推定航路
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ASIA INNOVATOR(元わかなつおきなわ)
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ASIA INNOVATOR(元わかなつおきなわ)はCarim Engineering という企業が運航する、精密機器専用船で、最近東京港に良く寄港している。
同社では、他にASIA ACE(元かりゆしおきなわ)、ASIA STAR(元フェリーきりしま)を運航している。
新規作成日:2007年5月28日/最終更新日:2007年5月28日