新南極観測船の船名に見るルール無視の体質

しらせ後継艦の名前が「しらせ」に決まったという噂がある。

「しらせ」後継の新南極観測船の船名は、国立極地研究所で8/1-9/10に公募されていたわけだが、その際「防衛省海上自衛隊所属の砕氷艦になることから、防衛省で現在使われている艦艇名は付けられません。 」という規定が明示されていた。

新南極観測船就役前に、現「しらせ」は退役するので、別に同じ名前がついても問題はない。
また、同一艦名であっても、使用されている名前を他の新しい名前に変えてしまえば別に問題もない。海上保安庁では頻繁に行われている。

が、公募条件として「防衛省で現在使われている艦艇名は付けられません。 」と明示した以上、この決め方はないだろう。
白瀬中尉の出身地関係の横槍というが、それこそが公明正大さを踏みつける話だ。

多くの子供たちが一生懸命考えて応募した事を思えば、規則なんてなんとでもなる、無理は通してみるものだということを教えるのと同じだ、

まあ、公募といえば、保守的な船名考からみれば「ちきゅう」「なっちゃんRera」なんて名前がつく時代だから、「なんきょく」とか「こおり」とか、自衛艦として首を傾げそうな名前がつくよりマシかもしれないが。。。

その意味で、由緒ある名前がつくのは望ましいことだ。
名前が、世襲制となっても別にいいだろう。
が、公募したものを無視して、陳情、横槍がまかり通るようでは世も末だ。

巷では、一般競争入札の原理がゆがめられ、随意契約の名の下に、不正がまかり通っている。
「反則はやりたい放題ですよ」と大声で叫ぶのと同じ行為だ。

子供の教育は何も学問に留まらない、
社会のルールを正しく教えることが肝要だ、
国立極地研究所は、文部科学省の下にあり、新南極観測船も文部科学省予算で建造している。
非常に由々しき仕儀である。

横槍を入れた白瀬中尉の出身地関係は、白瀬中尉の業績を強調しているようだが、むしろその業績を踏みつけにする行為だ。

そしてまた、新船の船名が報じられるたびに「公募を無視して命名された」「横槍によって曲げられた」などの枕子言葉がついてしまう悲しい宿命をも背負ってしまう。
航海の安全すら不吉さが漂う。

国立極地研究所に確認すると、新南極観測船は「しらせ」に決まったのは事実らしい。
そしてまた、それは国立極地研究所ではなく、文部科学省の部内の組織が取り仕切っているという。
浅はかな話だ。。。

発表によれば、公募の際、現存する船名は選考の対象外としたが、日本の南極観測の先駆者で、現行船の由来となっている白瀬矗旧陸軍中尉の出身地、秋田県からの船名存続を求める声に押され、選考基準を変更したという。
推進本部によると、約1万9000件の応募のうち最も多かったのは、白瀬中尉が命名した南極の地名「大和雪原(やまとゆきはら)」に由来する「ゆきはら」の約770件。対象外の「しらせ」にも約240件が寄せられ9位に入った。
応募締め切り後、白瀬中尉の出身地、秋田県にかほ市の小学生らから船名存続を訴える手紙が約700通届き、推進本部は「応募と手紙を合わせれば断トツの1位」と急きょ選考対象に追加。最終選考の委員会では異論も出たが、「世界に認知されている」などの理由で「しらせ」に決まったという。

選考基準変更なら、応募自体をやり直すべきだろう。
「応募と手紙を合わせれば断トツの1位」というのは、どのような約束事に基づくのだろうか。それなら、これから別の船名に多くの署名を集めれば、その名前がつくということだろうか。
応募締め切り後というのも胡散臭い。
秋田県にかほ市の小学校では、子供にルールをどのように教えているのだろうか。
要するに、決めた事を守らなくていいということだろう。
こんな教育では末恐ろしい。

選考基準を満たしていない応募内容、応募に入っていない数字、それで公募の要件を満たすなら、規則なんていうものは存在しない。
便宜を図ったものの金銭の出入りは確認しておく必要がありそうだ。



新南極観測船の船名募集
http://www.nipr.ac.jp/jare/newship/index.html
http://www.nipr.ac.jp/jare/newship/poster.pdf

■応募に当たっての注意(名称のルール)
・船名は、名所旧跡(例えば山や氷河)の名称を、「ひらがな」で付けてください。なお、漢字・カタカナ・アルファベット・記号などは除きます。
・名称の前後に、だいに(第二)○○、しん(新)○○、○○ごう(号)、○○まる(丸)のように、「だいに」、「しん」、「ごう」、「まる」などを付けないでください。
・防衛省海上自衛隊所属の砕氷艦になることから、防衛省で現在使われている艦艇名は付けられません。
■選考や発表など
・南極地域観測統合推進本部の「船名選考委員会」が選考します。
・選考された名称の応募者が多い場合は、抽選を行い、入選者20名以内を決定します。
・発表は平成19年11月下旬、入選者には直接通知し、記念品を贈ります。
・入選者の「氏名」と「住所のうち都道府県名」を発表しますので、匿名を希望する場合は、氏名の後に「匿名希望」と書いてください。
・入選者のうち1名を進水式に招待します。
・応募者の個人情報については、船名選考後直ちに破棄し、この募集以外の事柄に使用することは一切ありません。




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新規作成日:2007年11月15日/最終更新日:2007年11月15日