必須教科履修問題
2006.10高校で必須教科が未履修という問題が発覚した。
そして、これはひとつの高校にとどまらず、全国約500校、80000名もの生徒がかかわる大問題となった。
背景には大学受験があるという。
入試に関係する教科に重きを置き、ために入試に関係ない授業の時間を振替るという。
ここで、一番の問題は、こういったカリキュラムの操作を、履修記録をたばかってまで行ったということだ。
必須教科は、教育の上に必要と認められてのものである。
それをたばかってまで受験優先にするなら、高校はそもそも存在価値はなく、大学検定と予備校で処理すればよい話だ。
目下、教育基本法の改正が問題となっているが、こういった、教育現場が決めたことを無視していては意味がない。
大学側には、受験科目を増やすと受験者が減るからというのが理由にある。
が、それにを高校側が責任転嫁していては始まらない。
世界史などの教科は受験に関係なければいらないのか。
中国、韓国では、日本の歴史認識を問題にしている。
世界史を履修しないということは、まさに指摘の通りだ。
この問題で、一人の校長が命を絶った。
死んで責任を取れとは言わないが、500名もの校長のうち、責任感のあるものが少なすぎるのも否めない。
結局、70時間の不足を、2/3の50時間の授業でまかなうという。
2/3というのは、出席時間の規定にもとづくわけだから、50時間には欠席は認められていない。
通常の授業で、1/3欠席で満足な成績を残せるものはいないように、このような授業形態が十分なものであるわけがない。
生徒の側には直接の責任はない。
しかし、必須科目未履修の代償として、受験科目を厚く受けているわけで、他のまっとうな授業体系をとっている学校の生徒にとっては、不公平感が残るのは致し方ない。
こういった問題を起こしたのは、教育者たちであるということを、深く反省すべきである。
新規作成日:2006年11月4日/最終更新日:2006年11月4日