どうしようもない日本航空の安全意識

2007.3.12 日本航空の機長が、操縦席にコーヒーを届けに来た客室乗務員を、機長席に座らせ、客室乗務員の所持したデジカメで撮影させたという。
この際、客室乗務員は操縦桿に触れたが、自動操縦のため問題はなかったという。

しょせん、お茶汲みに過ぎないおねーちゃんはまだしも、機長の頭の軽さにはあきれてしまう。
「スチュワーデスはお茶汲ではない」と鼻にかけるのは自由だが、その水準は、こういった形で証明される。
馬鹿と煙は高いところが好きだというが、機長の頭も相当軽いようだ。

そしてまた、ボーイングの設計なら、操縦桿に触れた段階で、自動操縦は解除されるはずだが。

日本航空といえば、かつては日本のナショナルフラッグであった。

日本航空では、アテンションプリーズ、スチュワーデス物語、トップスチュワーデス物語、スチュワーデスの恋人、などのドラマにも協力しているが、これらのなかで、出来の悪いスチュワーデスの卵が、試練を乗り越え立派な客室乗務員に育ってゆく姿は感動を呼ぶ。

最近では、上戸彩主演のはちゃめちゃな訓練生が出たが、これとても、立派な客室乗務員に育っていった。

そんな中、営業飛行中の機内の中で、操縦席に座らせるなど、問題どころではない。
本人の自覚もそうだが、そういった感覚を呼ぶ、社内風土が問題だ。

株主総会において、「全日空は儲かる路線が多い」「全日空に比べて古い機材が多い」などと論じていたが、それに習わない経営体制が問題だ。
経営手腕のなさは株主や債権者に対する責任だけで収まるが、安全意識は人命にかかわる。

全日空では、過去の事故の教訓を忘れないための施設を作った。
全日空の大きな事故は、羽田沖B727、松山沖YS11、雫石B727である。
当時、社長の若狭徳治氏は、事故のたびに謝罪会見に臨み、我が記憶にも鮮明だ。
が、これら以降、事故はおきていない。
最近の若い人においては、全日空機が墜落したということを知らない。

対して日本航空では、「やっこらさ」と操縦桿を操作する機が墜落し、DC8は「逆噴射」で羽田の滑走路手前に墜落した。
へたくそな機長が大阪空港でしりもち事故を起こし、その機は後に御巣鷹山に墜落し、空前の死傷事故を記録した。
福岡では、DC10が離陸時にエンジン爆発を起こしている。
思いつくだけで簡単に出てくるくらいだから、実数はこの程度ではない。

日本航空でも、安全センターとやらを作って、事故の教訓を忘れないというが、覚えていれば済むという程度の発想が、今日を生んでいる。

危機管理という観点では、日本航空に搭乗するということは自殺行為にも等しい。
このような航空機が、わが国上空を飛行すること自体問題だ。


日本航空のホームページ
http://www.jal.com/ja/other/info2007_0312.html
には、以下の記載が出ている。

【お詫び】操縦室内での写真撮影について
 2006年12月3日発のJAL422便(ロンドン−大阪関西)において、巡航中に機長が客室乗務員1名を操縦席に座らせ、写真撮影をしたという事例が判明いたしました。
 社員の軽率な行動について、会社としても大変遺憾に思い、深く反省しております。誠に申し訳ありません。

 当該便はその間、自動操縦装置により操縦が行われており、運航の安全には問題ない状況でしたが、極めて不適切な行動であり、航空局に事実関係を報告するとともに、当該機長・副操縦士・客室乗務員を厳重注意処分といたしました。
 当該乗務員のみならず、全乗務員・全社員に対して再度安全の徹底に努め、社内規定の見直しを含め、再発防止を図り、日々の安全運航を堅持してまいります。


2007年3月12日
株式会社日本航空
代表取締役社長 西松 遙


「当該便はその間、自動操縦装置により操縦が行われており、運航の安全には問題ない状況」という見識には恐れ入る。
操縦桿に触れて自動操縦が解除されたらどうするのか。
その場合、副操縦士がいるというが、操縦室の中で、頭の軽い機長が鼻の下を伸ばしてお茶汲のおねーちゃんの機嫌を取っている、このようにわいわいやっている時に、副操縦士のみが運航の全責任を担っているとは到底想像できない。
たまたま事故なく収まったと思うべきであろう。


「おれもおれも、撮って撮って」と操縦士が身体をひねった時に操縦桿を押し倒し、自動操縦が解除され、機体が大きく傾いて「あっ」、というケースのほうが、確率論としては高いはずだ。

そもそも、操縦経験のないシロウトが操縦席に座る場合、まず操縦桿に触れるものではないだろうか。
これは、子供が喜んでハンドルを持ちたがるような局面以前に、狭い操縦席に座る場合の支え方として、操縦桿に手を触れてしまうものだ。


2007.3.13の産経新聞などによると、お茶汲みの過ぎないおねーちゃんが主体的に行ったものではなく、むしろ機長が主導したようだ。
お茶汲みに過ぎないおねーちゃんにとっては思慮に欠ける不適切な行為だが、機長がこれでは問題は大きい。
お茶汲みの過ぎないおねーちゃんの乗務停止は若干厳しすぎる面もあるが、機長が同じ乗務停止ということでは済まされないだろう。

サルでも運転できる「おサル電車」というものがあるが、サルでも飛ばせる「おサル飛行機」ならぬ、自動操縦で離着陸さえこなせれば、パイロットなど要らないということだろうか。
人件費節約としては、機長を廃止してしまえばよいようだ。
機長がサルと同程度ではお話にならない。




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新規作成日:2007年3月12日/最終更新日:2007年3月13日