2007都知事選挙に見るいい加減な候補者の主張
2007.4.8東京都知事選挙が行われ、即日開票の結果、石原慎太郎現東京都知事が再選された。
対立候補としては、浅野四郎前宮城県知事や、建築家の黒川氏、発明家のドクター中松氏、コメディアンの桜金蔵氏、などが名を並べた。
この中で、浅野四郎前宮城県知事には参ってしまう。
石原都政はもうゴメンだというのだが、彼は都民なのか?
大体からして、宮城県と東京都では、その経済規模も人口も、国際的位置づけも、大差がある。
宮城県政でそこそこの手腕があったことは確かなようだが、その程度で都知事が務まるというのはうぬぼれもはなはだしい。
当初は、立候補しないといっていたにもかかわらず、ずるずると出馬した流れも見苦しい。
出たいのなら出たいといえばいいのに、周りが担いでくれるのを待っている。
そんな程度で、都知事の任はまっとうできまい。
大体、学者さんが都知事を務めてろくなことはない。
福祉を持ち出した美濃部都政は、大幅な赤字を抱えた。
そもそも、福祉という言葉の響きはよいのだが、その実態はなんだろうか。
地方自治は税金によってまかなわれている。
福祉予算を厚くすれば、他を削らなければならない。
候補者は奇麗事を並べるのだが、では、実際、かつてのあらゆる選挙の結果で、その奇麗事の恩恵にあずかった記憶があるだろうか。
税額が半減するとか、直接的になにか大きいものがなければ実感することは難しい。
オリンピックの実施の有無は大きなことだが、オリンピックを取りやめたところで、一千万都民に平均化して還元したところで、何十円にもなってこない。
福祉というのは、実はごく一部のものにしか恩恵は回ってこない。
平均的所得層には、なんらありがたみはないのが実情だ。
美濃部都政があけた大幅な赤字を克服し、東京を活性化させようとした鈴木俊一氏に対して、都市博中止を公約にした青島幸雄氏が当選したが、都市博中止は目に見えても、その予算で何かがよくなった記憶はない。
変らないんだったら、実施して活性化してもらったほうがよかったわけだ。
石原都政に批判は少なくない。
しかし、他の誰よりも、マシであることは言うまでもない。
政府をはじめ他国に対してもきっちりとものが言える発言力は、並ぶものはいない。
浅野前宮城県知事は、警察の予算に物申したが、結局腰砕けでうやむやになってしまった。
外野が何かを言ってみるのは簡単なことだが、きっちりとした対応をさせることは大変なことである。
浅野前宮城県知事の時代、仙台のスケートリンクが閉鎖となっている。
そのリンクは、オリンピックのフィギアスケートで金メダルを獲得した荒川選手を育てたところだ。
もちろん、県政と直接のかかわりについては微妙だが、実績として、文化的貢献が出来なかったことは否めない。
「海外出張において高級ホテル」といわれるが、確かに庶民感情としては高額であるが、では、都知事の海外出張で、カプセルホテル並みの宿で済ませるわけにも行かないだろう。
「石原都政を今後更に4年間我慢するのか」をスローガンにしていたようだが「浅野都政は一日たりとも受けたくない」のが都民の結論だろう。
「いかなる応援も受ける」と言えば聞こえがいいが、見境ないとも言え「北朝鮮の拉致は存在しない」などを主張する集団からの支援も受ければ、任せられる人物で範囲ことは明らかだ。
情報が氾濫する今日ではあるが、あながち、うわべだけの奇麗事を見通せる時代になってきたのかもしれない。
新規作成日:2007年4月9日/最終更新日:2007年4月9日