三階は「さんがい」と読む

三階は「さんがい」と読む。
これが、最近、そうは読めなくなりつつある。
NHKのニュースでも「さんかい」と読み始めているからもはやどうしようもない。

ことの発端は、エレベーターの音声ガイダンスにある。
停止階を音声でアナウンスするのだが、機械がインテリジェンスにしゃべっているわけではないから、手抜きのシステムには無様なモノが横行する。
すなわち、「一」から「十」までと「階」の11個の音声を単純に組み合わせれば、99階までがアナウンスできるという発想である。
聞いていればよくわかるが、「十五階(じゅうごかい)」と滑らかには発音せず「十(じゅう)」「五(ご)」「階(かい)」とたどたどしい。
ここで、三階についても「三(さん)」「階(かい)」とやっちまうから、日本語が壊れてゆく。

高層建築が増え、また、バリヤフリー政策の下、エレベーターの音声ガイダンスを耳にする機会もふえ、聞き馴らされてくると、違和感もなくなり、あたかも正しいように思えてくる。
数字があっているからいいでしょう、というものではなく、きちんと読めなければ日本語ではなくなる。
けなげにも機械がしゃべっているうちは笑っていられるが、これを日本人がまじめな顔で読み始めると事態は変ってくる。

優秀なシステムは、「三(さん)」に続く場合は「階(がい)」を組み合わせ、正しく発音させるものもある。
システムは人間が作るものだが、何か作ればよいというものではなく、その時代の最新の技術を試みるべきで、いまだにこんなシステムが横行していることが不思議だ。

ふりかえれば郵便物の宛名書きも同様で、氏名データ+「様」が、大昔は、氏名データの桁数分+「様」とするから「東京電気株式会社総務部経理課長山田太郎 様」の場合は良くても「山田太郎                様」なんてことになる。
少しでも気配りがあれば、余分な空白を詰めて「山田太郎 様」とできるものだ。
システムが複雑になるかどうか、、、手抜きかどうかは別次元だ。




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新規作成日:2007年9月6日/最終更新日:2007年9月6日