拉致問題をないがしろにする、間抜けな日米の連携
北朝鮮との外交が、新たな展開を見せた。
というより、北朝鮮のペースにまんまと乗っている。
北朝鮮は、言うまでもなく行き詰まっている。
が、ブッシュ政権は、年内が任期で、そのために成果が欲しいという、情けない状況にある。
すなわち、北朝鮮の末期の期限は延伸できても、ブッシュ政権の期限は、刻一刻と迫っている。
北朝鮮外交のくだらない成果よりも、もっときっちりしなければならない問題はあるのだが。。。
そのブッシュ政権は、北朝鮮の核申告の餌に、テロ国家の指定解除という。
この措置に、日本政府は反発しているのだが。。。。
実は、ブッシュ政権の判断には、日本政府の対応が重大な参考になっている。
日本政府は、先般の北朝鮮との交渉で、北朝鮮への経済制裁を一部解除した。
この「一部」が全体に占める割合が問題だが、万景峰号/マンギョンボン号の入港を認めるということは、印象として、北朝鮮の船舶の入港がすべて認められるに等しい。
北朝鮮の船舶はこれ一隻ではないのだが、大半は500トン前後の小船。
対して、万景峰号は10000トン近い。
この船以外の名前を認識できない国民にとって、北朝鮮の船が自由に出入りすることを意味する。
この船舶の寄港が、すなわち、北朝鮮を許した前例となり「同盟国の日本が緩和したなら、テロ指定解除」という図式の正当性が増す。
政府では、高村外務大臣やら、町村官房長官、伊吹自民党幹事長らが口をそろえて「アメリカは甘い」というのだが、そういうお前たちが、甘い道筋を輪つけた責任を痛感すべきだ。
拉致被害者家族らは、日本政府の当初の対応を非難していた。
これに対して、問題のない発言をしていたのは彼ら政府高官。
しかし、日本政府の対応を見極めてブッシュ政権が判断したことは、日本政府の対応が大きな間違いだったこと認めなければ、解決の糸口はない。
北朝鮮の経済制裁解除なんかは、問題が解決した後でも遅くはない。
「再調査する」だけで解除するとは、お粗末過ぎる。
「再調査したけどわからなかった」で終わるつもりをしているのだろうか。
今までがそういうお粗末な流れということを早くも忘れたのだろうか。
詐欺の被害者や、多重債務者が、騙されて更に借金を増やしてゆくという。
弱みに付け込んでというより、客観的に見れば、間抜けな話だ。
が、法律に疎い個人なら、笑われて済む話だ。
が、こと外交に関しては、笑われたら収まらないのだ。
風采の上がらない総理、誰が誰でもどうでも良いような外務大臣やら、官房長官、自民党幹事長、こいつらの間抜けさは、その被害は本人にとどまらず、国を危うくする。
新規作成日:2008年6月29日/最終更新日:2008年6月29日