何やら意味不明の インパク

2001.1.1から、インターネットでの博覧会「インパク」が始まった。
「インパク」そのものの名前は、先頃開催された、World PC EXPO などで知っていたが、印刷関係の何か位にしか思わなかったが、インターネットでの博覧会、略して「イン博」の事だったらしい。

アドレスは http://www.inpaku.go.jp/ で、早速見てみた。
が〜。
中央の「日本語版」http://www.inpaku.go.jp/gate/gate_fla.html を開こうとすると、いきなりShockwaveFlashが動作して、IE3.0では開かない。
別のブラウザを用意すれば良いのだろうが、既存のシステムを無視した、不用意な発想は、いかにも官僚的で、企画自体の意味を疑わせる。
良く見ると、「日本語テキスト版」も記載が有るが、利用方法なんぞ表記もないし、全くおおざっぱなやり方である。だいたい、はじめてインターネットを使い始めた人が、http://www.inpaku.go.jp/ の画面を見た時、単なる蜂の巣の絵にしか見れず、次のページに進まずに終ってしまいそうだ。
また、「日本語テキスト版」では、要約した文字情報しかなく、実際の「展示」その物は閲覧できない。「パビリオン一覧」http://www.inpaku.go.jp/gate/tex/i07.html は、普通なら、ここから各パビリオンへ進めるものだが、「203の特定テーマパビリオンを紹介」と言う、ShockwaveFlash画面の説明しかしていない。
ところが、携帯電話版は、実際の「展示」らしき所へのリンクが有るようで、最先端技術しか眼中に無い、見当違いの物としか言いようが無い。
今からでも間に合うんじゃないかな、ShockwaveFlashを使わない一般ページも用意する事くらい。

欧米では、IE2.0ユーザがまだ多数を占め、このような作り方はない。
ローシステムユーザを無視する事は、弱者を無視する、横暴な政策に他ならない。

そもそも、本来、インターネットと言うものは、その表現や技術その物を競い合うべき物ではなく、情報そのものを、如何に、迅速かつ広範囲に提供するかと言う事であり、発想自体、御粗末極まりない。
最先端技術と言うのは、研究所や、一部で発表すれば良い事であって、みんなに「見てね」と言う所で、そんな物は、障壁でしかない。
あるいは、この訳の分からない事業に、血税を巨額投入する事によって生ずる利権などの為なのだろうか。「インパク」を見る為には、最新のパソコンを買いましょう、そうすれば、メーカー、販売店が儲かりまっせ、と言うだけの事業にしか見えないのだが。

一般参加も有るらしいが、参加の仕組みも、インターネットを駆使する博覧会ながら、郵送受付やら、紙の「誓約書」何ぞが存在するなど、笑い種。

だいたい、「楽網楽座」なんて、織田信長の画期的政策「楽市楽座」をもじっているが、楽市楽座は、それまでの大名支配の商業体制を、広く解放し、誰でも自由に商売が出来るようにした事に意義が有り、「誓約書」を必要とする事自体、意味不明である。

また、インターネットは、その強力な検索機能により、世界中の情報が、閲覧対象になりうるものだから、何も、このような訳の分からない仕組みを作って、中央集権的な形を取らなくても良いのである。
むしろ、インパク参加者自体が、インターネットを理解せず、前近代的な利用法にとどまっていると言う証明にしか見えない。


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新規作成日:2001年1月1日/最終更新日:2001年1月1日