東武鉄道事故に見る踏切と安全性

2005.3東武鉄道で、手動式踏み切りにおいて死傷事故が発生した。
係員が遮断機を上げ、通行が始まったときに、電車が走ってきたと言う。

事故原因や責任問題は、今後関係当局により、処理されるだろう。

さて、このような事故が発生すると、口をそろえて、以前からの危険性が問題となる。
だったらどうして事故がおきたのだろうか。

この踏み切りは、上下4車線、駅の隣で、隣接して車庫もあるという。
その為、開かずの踏切とも呼ばれている。
こういう状態の踏切では、無人の一般の踏み切りとした場合、ラッシュ時などは全く開かないであろう。
その為、人間が現場の状況を見ながら、手動で操作して、少しでも通行できるようにしている。

従って、一般の踏切よりも、もともとリスクは高い。
踏み切りを閉める時間を遅らせる以上、立ち往生等による事故のリスクもある。
何より、人間の確認ミスや誤操作による事故は潜在する。

「踏切が上がれば誰でも渡る。」と言う。
まして、開かずの踏切であれば、少しでも早く渡ろうと焦る気持ちもあるだろう。
しかし、元来は、踏切での安全確認は、通行する側にも存在する。
東武鉄道が責任の分担を主張するかどうかはわからないが、自己防衛の観点からは、安全確認に越したことはないだろう。

鉄道側の安全性向上の簡単な手段は、通行の便宜を無視しても、踏み切りの安全を取ることだろう。
代償として、ラッシュ時は全く遮断されてしまうかもしれないが、鉄道サイドの責任においての事故は発生しない。
しかし、これでは「渡れない」と大騒ぎになるだろうし、無理やり渡って事故も発生する。
開かずの踏み切りの苦情をただわめく側にも、問題をあったといえる。

可能なものなら、現場の構造を大きく変えて、踏切をなくすことだろうが、立地条件や、予算など、問題も多い。

事故が発生してから、原因を言っても遅いのだ。
かねてから予想されたと称するものは、それを明確に訴えることにより、事故を未然に防ぐべきであったと言える。
それを怠って、あたかも批評するのは、おこがましいにも程があろう。



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新規作成日:2005年3月21日/最終更新日:2005年3月21日