狂牛病対策を悪用し、豪州牛肉を国産に儀装し、買い取り申請。 国産牛肉の狂牛病対策として、政府が「血税」をもって、国産牛肉を買い取り、焼却処分する事になった。 ここへ、あろうことか、雪印乳業の関連会社である「雪印食品」が、この制度を悪用し、倉庫在庫となっている、豪州牛肉を、国産牛肉用のケースに詰め替え、国産牛肉と偽って、政府に買い取らせ、多額の「血税」を騙し取ったと言う。 13.8トンといえば、何百頭もの牛さんの命をあがなった肉である。 言語道断だ。 問題はいくつも有る。 箱を詰め替えて騙すと言う行為。 これは、表示の信頼性がなくなる事を意味する。 雪印と言えば、雪印乳業の事件により、安全性の問題が指摘されたとは言え、大手の食品メーカーである。 それが、かような作為を行うとすれば、信じられるものは存在しない。 牛肉を処分すると言う問題。 そもそも牛肉は、牛と言う動物の肉である。 人間が食べると言う事は、その牛の命をあがなった上での事である。 食べられる為に飼育された家畜と言う表現は、あくまで人間側の勝手な都合であり、為に日本人は食事の際「いただきます」と言って、糧の命に感謝する。 狂牛病対策で焼却という事態、命に対して問題は有るのだが、人命という対価の為、まだ意味はある。 しかし、雪印の行った行為は、事、食品産業として、生命倫理を軽んじて余りあるものである。 イスラム社会では、牛肉豚肉を食べない。 宗教上の理由であるが、彼らの宗教は、ことさら他の宗教に強制はしない。 しかし、イスラム過激派が、非人道的と言うなら、雪印の行為は、何となろうか。 食品産業として、その商品を、食せずに焼却処分する事の「是」とは、いずこにあろうや。 食品産業の企業理念は、より良い品質の食品を消費者に供給する事にあるはずだ。 牛肉の焼却処分というものは、そもそも食品行政における緊急避難に他ならない。 しかし、この雪印のように、食品を焼却する事に利益を見出す企業は、「食品産業」のカテゴリーに入れておけるものではない。 この処分された食品があれば、世界中の食べ物に困窮する幾多の民の空腹をあがなう事ができたであろう。 いや、餓死すら防げたものであり、その意味では「殺人」と言っても過言ではなかろう。 アフガン難民に供給できていたたら、と思ったが、彼らは宗教上の理由で牛肉は食べない。 しかし、全体の食品を融通する事で、等しく飢餓を救う事はできたであろう。 その意味で、今回の事件は、一企業の問題ではなく、日本国民としても、断じて許されるものではない。 結局その後、ラベルの貼り替えが各事業所で日常茶飯事に行われていた事も明るみに出て、呆れる状態である。 雪印製品の利用はしない。 雪印製品を扱う店舗業界は、利用しない。 これは、人間としての倫理を考えれば、当然の趨勢と思われる。 2002.1.25 本件に関し「お詫び(雪印乳業株式会社)」があったので、紹介しよう。 ★の部分は原文を変更してあります。 当然の事ながら、全社員一丸となって悪事を働いたわけではないので、地道に職務に励んでいる社員にとっては迷惑はなはだしいものである。 ここで一つの提案を試みたい。 食品企業として、食べ物を尊重する事を再確認する為に、 全社員の食費を、牛肉14トン分節約、捻出し、世界中の食べ物に困窮している人に還元してはいかがであろうか。 ここで、対応する金額を拠出すれば良いと考えてはいけない。 食べるものを節約して拠出する事が大切である。 ひもじい思いをして、はじめて食べ物の大切さが身にしみるのではなかろうか。
★★ 様 お返事が遅れましたことをお詫び申し上げます。 この度の雪印食品(株)の問題につきましては、同じ雪印グループの 一員として誠に申し訳なく、深くお詫びを申し上げます。 弊社としましても、一昨年の食中毒事件以来、失ったお客様からのご信頼 をもう一度なんとか取り戻すために、役職員一同真摯にお客様のお言葉に 耳を傾け、対応を行ってまいりました。 その中で当然厳しいご指摘もございましたが、少なからず応援していただく お客様もおられ、それを励みに頑張ってまいりました。 ところが、今回の問題は、まったく弁解の余地のないことで、折角もう一度 信じていただいたお客様のお気持ちを逆撫でするとともに、再度ご信頼を根底 から覆すことになり、誠に申し訳なく、お詫びの言葉もございません。 雪印乳業の行く末は益々多難となってしまいましたが、今まで以上に お客さまの声を深くお聴きして、お客さまのお求めになるものをお届け するよう努めてまいります。 最後になりますが、弊社社長のメッセージを付記させていただきます。 ご不快な点、心より謝罪を申しあげます。 雪印乳業株式会社 お客様センター ★★ ★★ ********************************** 平成14年1月23日 お客様各位 雪印食品(株)の牛肉詰め替え問題について 日頃は弊社商品をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。 今回の弊社グループ会社・雪印食品の牛肉詰め替え問題につきましては、 BSE(狂牛病)に対する、国民の皆様の不安を取り除くための国の 事業を悪用した行為であり、誠に遺憾に思っております。皆様に深く お詫び申し上げます。 雪印食品におきましては、第三者(弁護士・公認会計士)を含む調査 委員会を設置し、関西ミートセンターにおける事実確認と、その他 全国3箇所に設けているミートセンターの状況についても徹底的な 調査に着手しております。 行政サイドの調査も入っているとの報告を受けておりますが、調査 委員会による調査結果につきましては、できるだけ早い時期にすべて 公表出来るものと聞いております。 弊社は、一昨年の「大阪工場食中毒事件」を反省し、企業行動憲章を 制定し、法令遵守についても取り組んでまいりました。この点について、 雪印食品への徹底が至らなかった事を誠に申し訳なく思っております。 今後、弊社と致しましては、グループ会社には改めて法令を遵守し、 社会常識に照らし合わせた行動を行うよう、徹底してまいります。 今後とも何卒、宜しくお願い申し上げます。 雪印乳業株式会社 代表取締役社長 西 紘平
新規作成日:2002年1月23日/最終更新日:2002年2月9日