自動化のペテン
今では当然のような自動販売機。
何が「自動」かというと、販売する側にとって自動である。
店先で「オレンジジュース」と言わず、ボタンを押すと言う、買う側の動作の変化はあるものの、買う側にとっては、それほどありがたいという物でもない。
これが切符の自動販売機になると、窓口でなら行き先を告げれば買えた物が、買う側が行き先に対する料金を確認する必要が有り、実は便利な物ではない。
ただ、人件費節約や大量処理と言う面ではやむをえまい。
そして自動改札。
何が「自動」かというと、あくまで販売する側にとって自動である。
切符を授受し、確認する作業が自動化されているだけで、利用者は、乗車券の受け渡しを、機械に対して行わなければならない。
従来、定期入れを見せれば良かった物が、出し入れと、機械との授受までしなければならなくなっており、負担は大きい。
不可解なのは「取り違えの責任」を、一部利用者に負わされているという点である。
さて、JRでは、SUIKAを導入した。
自動改札の欠点である、定期入れからの出し入れが解消した。
しかしだ。ICカードに対する保証金と言うか、預り金が発生する。
しかも、無利子である。
1枚500円であるから、1000000枚なら、5億円にも昇る。
ICカードの費用もあろうが、その負担を、利用者に課せられるのは釈然としない。
まして、これほどの金額の預かりと言うのは、出資法にも問題はなかろうか。
また、高速道路では、渋滞解消の為として、ETCを導入した。
しかし、これには、何万円もする装置の、各車への設置が必要となる。
これって、何か発想が間違っていると思うのだが。
自動と言うのは、人間の負担を軽くする為の機械化が前提である。
が、機械を作って導入することがテーマで、その為の多大な負担を人間が負うのであれば、そんなもの、不必要ではなかろうか。
新規作成日:2002年6月15日/最終更新日:2002年6月15日