国会議員の不逮捕特権

国会議員には、不逮捕特権が認められている。

汚職事件などで摘発された事案で、この国会議員の不逮捕特権に対応して、逮捕状発行後、内閣に申請し、国会にはかられ、逮捕許諾がなされるまで、逮捕状の執行が待たれる。

本来、この条文は、国民から選出された議員が、官憲の不当逮捕により、国会での発言権を奪われることを防ぐ為のものである。
それは、すなわち、政府側に対抗する勢力の、口封じ策として、不当逮捕、弾圧が行えないようにする為のものであった。

しかし、昨今、この不逮捕特権は、こういった政治犯として弾圧されるという本来の姿ではなく、汚職などの犯罪議員の傘にしかなっていない。

逮捕は、逃亡、あるいは証拠隠滅の恐れがある場合、執行される司法警察権であり、不必要に時間を食っている間に、証拠隠滅がはかられる懸念もある。

確かに、この不逮捕特権が無ければ、政治的弾圧を前提として、でっちあげなどによる不当弾圧も懸念される。
しかし、昨今の事例を見るに、不逮捕特権ではなく、通常通り逮捕を執行し、「議院の要求があれば、会期中は釈放」と言うほうが、まっとうであると思われるがいかがなものであろうか。


不逮捕特権 ふたいほとっけん
国会議員に認められている特権の1つで、日本国憲法第50条で保障されている。
国会の会期中は、警察官などによって逮捕されず、また、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中は釈放しなければならない。

日本国憲法 条文
第50条 両議院の議員は,法律の定める場合を除いては,国会の会期中逮捕されず,会期前に逮捕された議員は,その議院の要求があれば,会期中これを釈放しなければならない。



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新規作成日:2002年6月17日/最終更新日:2002年6月17日