奈良の少女殺人事件に見る捜査姿勢

2004.11.17午後、奈良で下校途中の小学一年生の少女が、何者かに連れ去られ、遺体で発見された。
そして犯人から母親への、メールなども送られている。
痛ましい事件で言葉もない。

が、問題なのは、奈良県警察の姿勢だ。

遺体発見の状況、犯人の特徴などは、当日直ちに掌握できるものだ。

が、何を考えているのか、もったいをつけた小出しが多い。
捜査の進展がない場合に備えての対処だろうか。
小ざかしいとしか言いようがない。

遺体も当初は「側溝にうつぶせに」とあったが、「側溝に脚を、上半身は道路に、うつぶせに」ではないか。

「遺体の歯が抜かれている」と言う。
犯人の残忍性を言いたいのだろうが、こんなものは発見当日にわかることだ。
何日も経って発表する必要性もない。
しかも、専門家の話では、子供の歯ははえかわるために、抜けた可能性もあるという。

犯人の特徴は???
目撃者の少女の話を、さっさと公開すればよいものを、捜査員が個別に聞き込みすると言う。
犯人の似顔絵を、ようやく11/23に作ったらしいが、これも公開しない。
このような凶悪犯人は、可及的速やかに検挙することが肝要で、警察が手柄を誇るためのものではない。

捜査員90名体制で、ランドセルや携帯電話を探すとする映像、草むらを引っ掻き回すだけで、こんな方式では、携帯電話など、見つかるはずもない。

機動隊員もいるだろう。
もっと動員して、一挙に解決すべきだ。
早期解決こそが、再発防止への抑止力だ。

「最近頻発する、類似の事件との関連を調べる」と言う。
これほど、被害者を馬鹿にした話はない。
連れ去り未遂の類似の事件があったのなら、もっと真剣に対応すべきだ。
事件後、親が付き添っての登下校など、それ以前にはまったく想定していなかった証拠だ。
そもそも、以前に起きていると言う、怪しげな事件で真剣に対処し、容疑者を押さえていれば、今回の事件は起きなかった可能性もある。
その意味では、警察の怠慢であり、事件抑止力の欠如は重く受け止めるべきだ。

事件後、防犯ベルを子供にもたせていると言う。
確かに、それも、今後に対するひとつの心構えだが、今回の事件が、それで防げたとは思えない。
防犯ベルは、怪しいと思い、危険に直面して、初めて使うだろう。
今回の被害死者は、疑うことなく車に乗ったようだ。
されば、防犯ベルなど意味が無いのだ。

福岡県では、2004.2.21 県警大牟田署の現職警察官による誘拐も起きている。
学校において「警察官でも誘拐をします。絶対に知らない人についてゆかない様に」と教えれば、防げたかもしれない。
警察にとっては恥ずかしい話だが、実話であるから仕方がない。
そして、これほど子供に説得力のある教え方もないだろうに。

ついでに言えば、多少間抜けな校長が「児童には命の大切さを教えたい」とのたまう。
自殺とか子供同士の事件では無いのだから、「命の大切さ」ではなく、危険からの逃れ方を教えるべきだ。

メールに写っていた、カーペットやソファ
なぜ、映像を見せないのか。
被害者の少女を隠して、映像を見せることは簡単なことだ。
捜査員が聞いて回るなど、限度があろう。
テレビで放送すれば、犯人の家族が、知人が、通報してくるかもしれない。
いや、犯人自体も、逃げ切れないと察し、出頭してくるかもしれない。

携帯電話の基地局で、位置関係が明確になって、技術の高さが楽しいわけではない。
手がかりの一つであって、本来の目的は検挙だ。

佐世保の事件では、犯人が未成年と言うことで、映像公開などを渋った状況も理解できるが、このときは早期に容疑者を押さえているから納得もする。

が、今回はどうなのか。
奢り高ぶった警察の姿勢しか見えてこないのは残念だ。
或いは、暇でただ飯食っていた奈良県警にとって初めての事件で、捜査方法がわからないのだろうか。

いずれにせよ、さっさと検挙すべきだ。
特別職地方公務員たる警察官は、その為に俸給を得ている。
それに見合う働きを見せてみよ。


2004.11.27の新聞によれば、メールで送られた写真は複数だと言う。
1つか複数か、そんな調べが10日もかかるほど、奈良県警は馬鹿の集まりなのか。
或いは、捜査が進展していることを演出するために、小出しにしているのか。
このような捜査体制は、まったく信頼できる状態ではない。
それとも、ふたたび警察官の犯罪で、その弁明の準備のための時間稼ぎをしているのだろうか。

今までに出された程度の情報は、私一人でも、2時間もあればレポートにまとめられる程度のものだ。
捜査員90人が10日かかった成果とは到底思えない。
90人 x 10日 と言えば、900人日である。日当20000円とすれば、約2000万円もかかっている。
これは、税金の無駄。無駄飯食わせている以外の形容詞があるなら、是非教えてもらいたいものだ。
もちろん、そんなくだらない回答をする暇があれば、さっさと体制を改め、犯人検挙に全力を挙げるべきなのだが。



さて、2004末、ようやく犯人が捕まった。
が、その捜査方法など、大して褒められたものとは思わない。
犯人は検挙して当然だ。
それが警察の仕事である。そのために俸給をもらっているのだ。
しかし、結果的に、この程度の犯人の検挙に一ヶ月もかかるとは情けない。
犯人検挙は、なにも警察独力で行えたものではないことを良く考えることだ。
電話会社の多大なる協力と、一般の情報提供の賜物ということだ。
されば、早期に多くの情報を提供し、早期解決に努めるべきなのだ。
犯人が、この期間中に、更なる事件を起こしたり逃亡したりということがなかったことは、犯人に感謝すべきことだろう。
今頃になって、事件当時の歯の抜き方などを公表しているが、そんなことは必要なことだろうか。
犯人の送った画像の背景などを公表すれば、更に解決も早かったということだ。
くれぐれも明記したいが、検挙するのは当然のことで、それに一月もかかったのは「仕事がのろい」ということだ。
犯人検挙という警察として当たり前のことをして、必要以上に自慢げに振舞う価値はまったくないということを検挙に心得ることが必要だ。
勘違いをせずに、仕事に励むことだ。

商店で物を買えば、店の人が「ありがとうございます」と客に感謝する。
商売という仕事をしている人が、客に感謝するのである。
客の中で、売ってくれてありがとうというものは滅多にいない。
警察という、公安職にあるもの、治安維持に努めて仕事である。
仕事をしているものが、感謝されなくとも仕事に励むのは当然のことだ。
治安が守れず、犠牲者が出てしまうことに謝罪こそすべきであり、ほめられて有頂天になるなどもってのほかだ。
検挙率の低さが犯罪を誘発している。
検挙率は本来100%で当然のことだ。
警察の俸給は、検挙率に比例させても良いのではなかろうか。
100%であるべきものが20%台と言う。
本来の2割程度しか仕事をしていないのに、100%の俸給がもらえるなど、サボりを奨励しているようなものだ。
悔い改めて「励め」よ。




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新規作成日:2004年11月23日/最終更新日:2005年1月1日