選挙制度と政治の基本的問題点
民主主義は選挙によって選ばれた代議員による、議会制度による事が多い。
直接民主主義というのもなくはないが、参加人数が多くなると物理的に実現不可能という要素がある。
そこで代議員により政治を行なうと言う物なのだが・・・。
が、意見というのは千差万別である。
代議員が全知全能であれば話も違うが、一人の人間でもあり主義主張は存在する。
例えば、X問題とY問題が存在したとしよう。
ここで、Xに賛成、反対、Yに賛成、反対の要素があったとしよう。
Xに賛成、Yに賛成。Xに反対、Yに反対。Xに賛成、Yに反対。Xに反対、Yに賛成。の4つの組み合わせが考えられる。
さて、A候補者とB候補者が居たとしよう。
A候補者は、Xに賛成、Yに反対。B候補者は、Xに反対、Yに賛成。だったとする。
候補者が4人居て、4つのパターンが存在すれば良いのだが、なかなかそうも行かない。
実際の社会では、政治的課題は多数あり、この組み合わせは数学上の事象の数だけあるわけで、候補者の組み合わせが存在するわけはない。
選挙である以上、候補者から選ぶことになる。
「私は、Xに賛成、Yに賛成、の立場の人が良い」と思っても、そういう候補者が居なければ困ってしまう。
ここで、X問題とY問題の、より重要度の高い方を基準に選ぶなどがあるだろう。
X問題を重視すれば、A候補者ということになる。
さて、A候補者を選び、当選したとしよう。
このとき、A候補者の主張は「Xに賛成、Yに反対」であった。
この意見を「承認」された上で選ばれた、と勘違いされる事が多いから困ってしまう。
確かに、選挙は人を選ぶ。
しかし、全ての主張を認めたわけではない。
もし、投票時に、条件なり非承認事項があるなら、「Y問題についてのA候補者の意見は承認しない」と明記したいところだ。
が、一般に、そのような選挙制度は存在しないのだ。
国民の審判を仰いだとか、民意がどうのと良く言うのだが、個々の条件に付いて、意見を精査したわけではないことを明確にすべきだろう。
性的にお粗末な人間でも政治手腕が認められてアメリカ大統領になるひとも居れば、政治家は潔癖であるべきというお国柄も存在する。
例えば、A候補者よりB候補者の方が「マシ」と言うこともあるわけだ。
実際問題、現在の自民党政権には問題が多い。
が、野党にはもっといい加減な問題が多い。
国民の選択としては、「まだマシな方」を選ぶということになるのだが、これをもって承認を得たと誤解されてはたまったものではない。
国民の審判と言うなら、個々の案件に付いての国民投票なり、個別の民意を聞いてみる必要が有るだろう。
投票率の低迷は、要は選ぶべき候補者が存在しないという事にも有るだろう。
新規作成日:2003年11月10日/最終更新日:2003年11月10日