歩行者を危険にさらす車の運行

人口の極めて少ない地方ならともかく、狭い都市部では道路交通法を完全に守っていては、仕事が出来ない場合も少なくない。
が、しかし、最低限のことは守りたいものだ。

特に最近では、郵政民営化問題も含め、宅配業者の過当競争があり、為に配達優先の危険な運行がまかり通っている。
佐川急便にいたっては、注意した通行人に暴行を加え、傷害罪で検挙送検される事件も発生している。

さて、車を止めるときに、道路の端に止めたほうが邪魔にならないと考える向きが多い。
が、路側帯がある場合、路側帯に75cmの隙間をとっておかなければならない。
なぜか。
歩行者が安全な路側帯を通れるようにするためである。
路側帯に75cmの隙間を空けると、必然的に車道にくって止まるため、車の通行に邪魔に見える。
その為、路側帯を無視して止めることが多い。
が、これは間違っている。
歩行者が、路側帯を塞がれていては、車道に出て歩かなければならない。
このときに、他の通行する車との接触が極めて危険である。
従って、車の通行に邪魔にならないつもりで路側帯を塞ぐのは、二重の危険をはらんでいる。
路側帯をあけることにより車道が狭くなりすぎる場合は、そもそもそこに止めるべきではないのだ。

2005.9.17 東京
路側帯無視。
Dcim2106/DSC_3253. Dcim2106/DSC_3254.

工事などで長時間道路を使用する場合、警察署に対して「道路使用許可」を取る。
が、「道路使用許可」を取れば何をやってもよいと誤解している輩がいるから参ってしまう。
「道路使用許可」は、単に警察署に対する届けであり、記載された範囲に限定され、かつまた、歩行者等の安全を確保する義務があり、それを守ることが前提である。
安全確保のためのガードマンの配置などがそうだ。
人数や場所についても、きっちり決められている。
当然のことながら、通行人の安全を守らなければいけないから、いればよいというものではなく、厳密には、トイレに外す場合は代わりが居なければならない。
また、ガードン経費節約の為に「道路使用許可」を得ずに作業をするなどはもってのほかである。

2005.10.3 東京
路側帯無視。道路使用許可を得ずに路側帯を封鎖し歩行者の通行妨害。
Dcim2145/DSC_5213. Dcim2145/DSC_5214.

2005.10.3 東京
路側帯無視。道路使用許可を得ずに路側帯を封鎖し歩行者の通行妨害。
Dcim2145/DSC_5221.

2005.10.2 東京
路側帯無視。道路使用許可を得ずに路側帯を封鎖し歩行者の通行妨害。
Dcim2143/DSC_5210.

2005.10.6 東京
路側帯無視。道路使用許可を得ずに路側帯を封鎖し歩行者の通行妨害。
Dcim2146/DSC_5222.

2005.10.6 東京
路側帯無視。右側駐車。道路使用許可を得ずに路側帯を封鎖し歩行者の通行妨害。
Dcim2146/DSC_5352.

また、横断歩道を無視して止める車がある。
道路交通法によれば、横断歩道前後5mは駐停車禁止である。
なぜか。
横断歩道は歩行者の安全の為に確保されている。
その歩行者の通り道を車が塞げば邪魔であると共に、他の車からの視認性が悪くなれば、事故の危険を伴う。
配達先に便利というだけで止める発想は極めて危険である。

2005.10.1 東京
横断歩道上の駐車。
Dcim2133/DSC_4454.

2005.10.7 東京
横断歩道無視。
Dcim2149/DSC_5559.

よく誤解されているのは「配達などのためなら5分以内はどこに止めてもよい」という誤解である。
荷物の積み下ろしのための5分以内の「停車」は、駐車から除外されているが、あくまで「停車」であり、「駐停車禁止」からの緩和は伴っていない。
「駐車禁止」に対して、若干の緩和措置に過ぎない。
交差点内など、車を止めてはならない場所に止めて荷物を届けるなどはもってのほかである。

よく、事故が起きると「二度とないように」と幹部が並んで頭を下げるのが恒例行事となっている。
が、そもそも一度目が起きることがおかしいものも多々ある。
「判っていても致し方なく」は過失ではなく、故意である。
運送業者など、車の使用が業務としている業界は、車の運行について、極めて慎重であるべきだ。
失われた生命は取り戻せないことを認識していれば、かようないい加減な運行は目にすることはない。
配達時間を優先するために、歩行者の犠牲をいとわないという姿勢は即刻改めるべきだ。
事故なんかめったに起きもしないという発想。
確かに、こういった違法停車すべてで死傷事故が起きているものではないだろう。
しかし、一人でも亡なれば、亡くなった本人やご遺族は、どれほど楽しいというのだろうか。

この問題に関して、佐川急便、ヤマト運輸、株式会社アリガ、には通告してある。
これらの企業においては、本件は既知の問題であり、仮に事故が発生した場合、「二度とないように」は通用しない。
問題点を認識しながら放置していたために発生したという、由々しき事態である。
仮に、被害に遭われた方があれば、本件を根拠に、賠償請求を上乗せするのもよいだろう。
社会責任はまっとうすべきものである。

2005.9.17 東京
右側駐車、ドッキング路上積み替え。
Dcim2106/DSC_3251.

2005.9.20 東京
交差点直前の駐車。
Dcim2117/DSC_3546.

2005.9.20 東京
右側駐車。
Dcim2117/DSC_3562. Dcim2117/DSC_3563.



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新規作成日:2005年10月9日/最終更新日:2005年10月9日