ビジネスホテルの身障者認識問題

2006.1全国展開するビジネスホテルで、身障者受け入れのための施設が撤去されるなどの条例違反が明るみに出た。

記者会見で社長が「身障者用設備を作っても利用は年に1,2回と少ないから・・・」と発言し物議をかました。

問題は、地方自治体に対して申請する段階では、条例に適合する設計で申告し建設、確認を得た後直ちに撤去改造するなど、悪質とされる。

中には、容積率を超過し、建築基準法違反もあるというが、ここでは問題点を分離したい。

確かに、身障者の社会進出は支援されるべきだ。
公共施設において、身障者のための施策が広まることは喜ばしい。

が、民間に対してどこまで強制する必要があるのだろうか。
ビジネスホテルに対しての利用率はどうだろうか。
余裕もあり、設備が充実し、利用もあれば言うことはないだろう。
が、利用率が低ければ、明らかに不経済である。
そしてまた、その負担は、他の利用者に負荷されてくる。

ホテルなどは利用者が選択できるものだ。
ビジネスホテルに、国の要人が宿泊することはないだろう。
「身障者がビジネスホテルを利用するな」とは言っていない。
少なくとも現時点で、ビジネスホテルの利用者の水準に応じた利用の機会はまだまだ少ないといえるだろう。

身障者が宿泊するに当たって、設備の充実度をポイントにするのだろうが、それは施設を選ぶということだ。
そしてまた、そういう需要に応じた設備も出来ている。

身障者の社会進出は喜ぶべきことだが、それは必要以上に周りの負担となるべきものではないだろう。
中には「手を貸してもらおうなどと頼んでいない」と息巻く人もいる。結構だ、すべて独力ですればよい。それはそれで立派なことだ。
が、ある程度の社会負担は必要だ。
しかし、過度の負担は、迷惑としか映らず、結局は溝が深まってくる。
必要以上の負担は、感覚的に、「面倒見てやってるんだぞ」という恩義の発想にしか結びつかない。


2006.2.6のニュースでは、身障者が大挙してホテルに押しかけ抗議行動を展開した映像が報道された。
ここまで来るとどうなんだろうか。
「身障者、高齢者、子供が安心して使えるように」と騒ぐが、ビジネスホテルの客層は異なるだろう。
今まで利用もしなかった、或いはその予定もなかった人たちが押しかけて、嫌がらせ以外の何ものでもないだろう。
設置された点字ブロックを身障者が確認して「これじゃ使いにくいですねぇ」という。 実際に使うんですか???
公共施設とは異なるのだ。
点字ブロックは、視覚障害者の為に必要とは理解しても、足の不自由な高齢者にとっては、この僅かな段差が命取りにもなる。
高級ホテルに行って、カプセルホテル並の料金の部屋がないと騒ぐ人はいない。
用途と目的に応じた選択をするのは利用者の権利だが、度を越えた要求は共感しない。




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新規作成日:2006年2月4日/最終更新日:2006年2月6日