言い逃れの言葉
かつて国会で「バカヤロウ」と発言し、内閣総辞職に追い込まれた総理大臣がいた。
吉田茂総理である。
「馬鹿を相手に馬鹿といって何が間違ってるんだ」と勇ましかった。
が、時代をへて、言い逃れの策に労を要する時代がやってきた。
ロッキード疑惑においては。
「忘れました」「記憶にございません」が大流行となった。
事実関係は別にして「現時点では」「当時のことは」「わからない」と主張する。
が、状況から、当事者が鮮明に記憶していることは明らかだ。
しかし、明言して立場を悪くしたくない。
嘘を言えば、偽証罪になる。
そこで「発明」した「名言」という。
そして多くのものは、この後「思い出した」ようだ。
橋本元総理は、政治献金の授受疑惑で、
「みんながそういうならそういうことなんだろう」と。
あたかも他人事だ。
仮にも総理経験者で現職の国会議員が、これほど老いぼれモウロクしても困ってしまう。
姉歯疑惑で経営コンサルタントは、
「鉄筋を減らせば」とはいったが「減らせ」とは言っていない。
ライブドアの元社長は、これを真似して
「黒字にしろ」とは言ったが、「粉飾しろ」とは言っていない。
「想定内」で、流行語大賞「今月の気になる ことば」を得た人なんだから、盗作ではなく、新しい言葉を世に出して欲しかった。
新規作成日:2006年2月23日/最終更新日:2006年2月23日