潜水艦の種類
本項は 「現代の潜水艦」掲載用として整理したものをもとに掲載しており、更新なき場合、2001年7月のデータにもとずいています。
潜水艦の種類
まず、動力としての分け方では、原子力潜水艦、通常動力型潜水艦などの分類がある。
また、任務や機能により、大きく以下のように分類できる。
尚、これらは各国により必ずしも統一されたものではなく、特に、攻撃型、対潜、哨戒潜水艦などは、分類せず単に潜水艦と称されることも多い。
弾道ミサイル潜水艦 SSB, SSBN
戦略核抑止力の一翼を担うものであり、通常は大洋に進出潜航し、戦略核戦争発動時に浮上し、戦略ミサイルを発射する。戦略核は、地上発射のICBM、戦略爆撃機、原子力弾道ミサイル潜水艦の3本柱で構成されており、先制第一撃は、主に敵国にある地上発射のICBM基地とされ、原子力弾道ミサイル潜水艦は、報復攻撃用とされている。これは、主として、潜水艦のプラットホームの隠密性と、弾道ミサイルの命中精度に起因するものであるが、最近では命中精度の向上により、先制第一撃への使用も可能である。初期の原子力弾道ミサイル潜水艦は、搭載する弾道弾の射程が短かったため、相手国の付近の海域に配備せざるを得なかったが、トライデントミサイルなど最近のものは、ICBM並みの長射程を有する為、本国近海での比較的安全な海域での待機が可能となっている。
ミサイル潜水艦 SSG, SSGN
旧ソ連の潜水艦など、巡航ミサイルを搭載する潜水艦。西側の艦では、攻撃型潜水艦の魚雷発射管から、ミサイルも発射できる物があるが、ミサイルの為の大規模な構造を備えている艦を、別に類別している。
攻撃型潜水艦 SS, SSN
艦船や潜水艦を攻撃する事を主任務とする潜水艦。動力は主として原子力。
対潜潜水艦 SSK
潜水艦を捜索攻撃する事を主任務とする潜水艦。水中運動性を重視され、涙滴型、葉巻型などの艦型が採用される。キラー潜水艦とよばれる。
哨戒潜水艦 SS
海域を哨戒待機する事を主任務とする潜水艦。動力は主としてディーゼル。艦型は、涙滴型以前の形式。
特務潜水艦、支援潜水艦 SSA, SSAN, TSS, ATSS
潜水艦乗員の訓練用、対潜訓練目標、各種試験用など、特殊任務に就いている潜水艦。一線を退いた艦が当てられる事が多い。
小型潜水艇 SSM, SDV, LSDV
港湾等の潜入攻撃や、特殊部隊を搬送潜入させる為の潜水艇。母艦により目的海域付近まで搬送される。
深海救難艇 DSRV
事故潜水艦からの乗員救難用の潜水艇。母艦などにより目的海域付近まで搬送され運用される。
●潜水艦・艦種記号
SSBN:原子力弾道ミサイル潜水艦
SSB: 弾道ミサイル潜水艦
SSGN:原子力ミサイル潜水艦
SSG: ミサイル潜水艦
SSN: 原子力攻撃型潜水艦
SS: 攻撃型潜水艦
SSAN:原子力特務潜水艦
SSA: 実験潜水艦、特務潜水艦
SSC: 沿岸潜水艦
SSM: 小型潜水艇
DSRV:深海救難艇
LSDV:特殊任務用潜水艇
新規作成日:2003年2月15日/最終更新日:2003年2月15日