Column

2003.10.18
イギリスの大学は楽チン?
by peace_student

「日本の大学生は勉強をしない。日本の大学は学生に勉強をさせない」。こんな言葉をよく耳にする。一応、僕も日本の大学にも所属しているので、その批判は理解できる。

では、海外の大学は違うのだろうか?“アメリカの大学は入るのは簡単でも、出るのが難しいんだよねぇー”と実際に経験したこともないのに、分かったようなことを言う人が世の中にはいる。で、イギリスはどうだろうか。

大変・楽チンというのも個人差があるので、一般的なことは言えないかもしれない。でも、ドイツ人とフランス人の留学生が自分の国の大学のシステムと比べて面白いことを言っていた。

フランス人曰く、“エッセーの課題が出たけど、たった1500単語だって。それも、3ヶ月も時間がある。フランスでは、5000単語くらいは普通に書くし、毎週1本は何かしら提出するのに。イギリスの大学って楽だねー”。ドイツ人曰く、“ドイツでは、セミナーでディスカッションをする時は、事前にもっと資料を読むし、自分の意見を戦わせるのに。イギリスの大学では、ただ学生がおしゃべりしてる程度だわ”。

と、このように言う留学生もいる。確かに、エッセーの長さ、セミナーでのディスカッションは意外と大したことがない(もちろん、オックスフォードくらいになったらスゴイのかもしれないけど)。しかし、これはイギリスの大学のシステムの一部分であるに過ぎない。

では、日本人の留学生にとっては、イギリスの大学は大変なのだろうか、それとも楽チンなのだろうか?結論から言うと、「大変」だと思う。根源的な原因は、やはり「言葉」の問題。次に、大学システムの違いが挙げられるだろう。

「言葉」はやはり決定的な問題。まず、資料や本を読むのに時間がかかる。30ページほど読むのに、4時間を掛ける人もいる。ディスカッションでは、何か発言をしないと自分の存在意義が無くなる。発言をしなくても誰にも文句は言われないが、自分の中でフラストレーションが溜まるようである。“あぁー、今日も話せなかった…。次回は頑張ろう…。”なんていうことを、何度も繰り返すことになる。で、エッセーを書くにしても、たった1500単語とフランス人に言い放たれてしまったが、一般的な日本人には“されど1500単語”という感じである。

大学システムの違いも大きく影響するだろう。イギリスは、Independent Studyと呼ばれる「自習」が中心である。授業は週に3日で、一日1科目しかなくて、時間割がスキスキであったりする。一見すると、“わーい!休みがいっぱいだぁー!”なんて思う。しかし、空いた時間に本を読んだり、資料を調べないでいると、最終的に恐ろしい結果となる(だろう)。で、そういうシステムに慣れないのが日本人の学生の典型であると思う。

やっぱり留学はそれなりに大変なものだと思う。言葉に問題がなくて、一人で何でも出来て、現地の環境に早く順応できる人なら問題ないのかも。そんな人いるかなぁー、とも思うけど。

こんな感じですが、それでも留学したいと思いますか?“はい。それでも構いません。”と言う人は素晴らしい。大成します。(皮肉じゃないよ)

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