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授業の感想
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IPS(Introduction to Peace Studies: the Ethics of Peace and War) IPS(平和学入門)は、1年生向けの授業である。セミナーはなく、2時間の講義が週に1回。成績評価方法は、最大1500単語のエッセーで行う。筆記試験はなかった。 各週の講義のテーマ: 講義の目的は、戦争と平和についての「倫理的側面」を考えることだった。平和主義、現実主義、聖戦論主義などの思想を中心に、どのように戦争を正当化するのか否かを考える。また、人道的介入や原爆投下の是非や正当性なども議論する。2時間のうち、前半1時間を講義、後半1時間を学生とのディスカッションに費やした。 講義が一年生を対象としているため、内容としては戦争と平和についての論理面での基礎的理解が目的だった。担当教授のオリバー・ラムズボサムの話し方もゆっくりで、分かりやすい。彼自身、ユーモアのある人間なので、毎回ジョークなどを交えて笑いの絶えない授業だった。 成績評価の方法は、エッセーの提出である。初回講義で「essay questions」を渡され、複数ある質問からひとつを選んで書く。課題提出の期限は、前期講義が終わる12月12日までの3ヶ月間。その間に書き終えればよかった。講義の内容と同様に、「倫理的側面」に傾倒した質問であり、テロや戦争、武器取引などの倫理面についてがエッセーのテーマであった。 僕は、「武器取引は反モラルか?(Is "arms trade" inmmoral?)」というテーマについてのエッセーを書いた。多くの学生がテロについてのテーマを選んでいた。僕のテーマは少数であった。 エッセーの内容と講義の内容は必ずしもリンクしない。特に武器取引については、講義では触れられないので、自分で資料をを探し出して、書き上げなければならかった。講義での倫理面での様々な議論を参考にしつつ、自分なりに考えを出していく作業だった。エッセー執筆が最大の目的なので、講義は公演を聴いているような気分だった。特にメモを取らなければならないわけでもないので、興味のある内容だけを書き留めていたりした。 授業全体への感想としては、平和や戦争とは何か?ということを理論面から考えることが出来たので、有益だったと思う。しかし、もっと具体的な事象を勉強したりしたい場合には、理論中心のこの授業は少し飽きるかもしれない。あくまでも「平和学入門」であり、1年生を対象とした授業であるから、戦争と平和についての基本的な理論的理解を得ることがこの授業の目的だと言える。 |
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