デジカメ3世代

 もともとがカメラ好きで,子供時代は親父の2眼レフなんかで遊んでいた。
 高校に入った頃,親父がキヤノンを捨ててニコンに乗り換えるというので,キヤノン FTという一眼レフを交換レンズ3本とともに譲り受けた。
 以来,AE-1,A-1,New F-1ともっぱらキヤノンに忠誠を誓って,交換レンズも延べ10本ぐらいはそろえてきた。しかし,EOSになってマウントが変更されるなどの「事件」があり,そのころは興味の中心がパソコンに移っていたこともあり,そのままずるずると今日まで来ている。A-1はシャッターの切れないことが多くなったりして現役を退いているが,F-1はまだまだ健在である。
 しかし,最近はさすがにデジカメにシフトしつつある。

キヤノンT20と東芝Allegretto

 最初はもらい物のキヤノンのT20というPCMCIAタイプのカード型カメラだった。ファインダーなどはなくて,要するにノートパソコンに差さないと使えないというものだ。Libretto20にセットして遊んでいた。これは今でも現役で,「うにちゃん生中継」に使っている。
 自分でちゃんとお金を出して買った最初のデジカメは東芝のAllegretto PDR-2である。液晶ディスプレイもついていないし,33万画素という今ではおもちゃのような仕様だが,軽くてやたらと電池の持ちがよくて,ポケットに忍ばせて歩くのには便利であった。もっとも画質はお世辞にもいいとはいえない。

サンヨーDSC-SX550

 そんなわけで,Allegretは早々と人に譲って,次に買ったのがサンヨーの動画デジカメDSC-SX550である。
 サンヨーといえば,私のような年寄りには白物家電というイメージしかない,というか白物家電すらまあそこそこのもの,というイメージしかないのだが(スイマセン),ウワサによるとデジカメの隠れた製造元らしい。デジカメといえばサンヨー,サンヨーといえばデジカメ,ということらしいのだ。
 インターネットで調べると,サンヨーのデジカメを購入したはいいが5回も不良交換に出した人などがいてちょっと心配になる部分はあるが,動画デジカメというコンセプトが気に入って買ってしまった。
 画質はもちろんAllegretとは比ぶべくもなく,動作もきびきびとしてこれはなかなかの買い物であった。レンズバリアがスイッチをかねているのは特に使いやすい。
 それまではホームページに乗せるような写真を撮りたいとなれば,F-1なんかで撮ってそれをコニカのQscanでキャプチャーしていたのだが,以後はそんな面倒なことをする気はなくなってしまった。
 欠点としては,光学ズームがないこと,USB接続をしても自動でストレージと認識されないので,専用ソフトが必要なことなどであろう。

サンヨーDSC-MZ1

 光学ズームはあった方がいいなあ,なんて思っているうちに新機種が出てきた。DSC-MZ1がそれである。さっそく買ってしまった。
 うーん,これがなんというかちょっと高い買い物でしたねえ。2.8倍ズームレンズ搭載で画質もさらによくなって,その点では満足だったのだが……。
 最大の欠点は「電池の持ちが悪い!」ということである。フル充電したはずなのに,撮影していると見る間に電池がなくなってしまうのだ。動画の場合に特に減りが早いようだ。
 一応雑誌の記事などで,電池の持ちがよくないことは知った上で買ったのだが,それにしても予想以上に早い気がする。私の買ったのがたまたまハズレだったということもあり得るが,常に予備の電池を二組もって歩かないと不安でしかたがない。

サンヨーDSC-MZ3

 そんなわけで,買い換えようかどうしようか悩んでいるうちに登場したのがDSC-MZ3である。
 サンヨーさんも気にしていたのか,使用電池がニッケル水素からリチウムイオンに変更され,カタログ上でも電池の持ちについて大々的にふれている。
 さっそく購入してしまった。
 うーん,確かに電池の持ちはよいようだ。一応予備バッテリーも購入したが,とりあえず1個でずいぶん撮影できる気がする。MZ1のときはいつ電池切れになるかと冷や冷やしながら取っていたのだが,信頼感がだいぶ違う。液晶つけっぱなしで撮影しても気にならないくらいだ。というか,MZ1のときは恐ろしくてほとんどファインダーのみで撮影していたのだ。わざわざデータを取る気はないのだが,体感上5倍くらい持ちが違う気がする。大げさに思われるかもしれないが,確かにそんな印象なのだ。
 気になった点というと次のようなものである。
 カタログで見たときから,シャッターボタンが押しにくそうというか,セレクトダイヤルの方が上にあるので気になっていたのだが,やっぱり使いにくかった。慣れの問題かもしれないが,縦位置の撮影時に親指でシャッターを押そうとして迷うことがある。
 また,これも予想通りだったが,セレクトダイヤルがバッグの中などで勝手に回っていることがある。気がつかずにスチルを撮ろうとしたら,動画だったというわけである。
 あと,撮影時にレンズが出っ張りすぎる気がするなあ。35mmフィルム換算37〜111mmのレンズとはとても思えない。かなりの望遠レンズがくっついている気がする。
 そのほかいくつか欠点はあるが,これらは今まで購入した3台に共通することでもあるので,次に述べよう。
 まあ,いずれにしても,電池の持ちはよくなったし,画質も値段もそこそこだし,私にとってはおおむね満足できるレベルのデジカメである。

デジカメいろいろ

 ところで,同じメーカーの同じ系列のカメラを3台も買うと,アクセサリなんかが兼用できるような気がするのだが,これがとんだ間違いだった。
 特にUSBケーブルが兼用できると,ありがたかったのだが,そうは問屋が卸さなかった。カメラ側端子の形状が全部違うんだな,これが。USBはあくまでUSBなんだから,同じでかまわないような気がするのだが,なぜか違うのである。自宅と会社にケーブルを置いて使い回すという技が使いたかったのだが……。ずいぶんと無駄な気がする。
 また,35oカメラになれているせいか,ファインダーをのぞかないとどうも写真を撮っている気がしない。手ぶれが怖いというのもあるし,電池切れのトラウマがあるので,液晶をつけないのが習慣化しているということもある。このとき問題になるのは,ファインダーの視野率が異常に低いということだ。ずいぶんアップで取ったつもりが,実際はかなりワイドなのである。
 もう一つは,ストロボ撮影時の赤目現象の頻発である。ボディが小さいためもあるのだろう。ストロボがレンズに近いので,かなりの確率で赤目になる。プリ発光の機能を使えばよいのだろうが,どうも大げさすぎてなかなか使う気になれない。せっかく撮った美女(?)の写真がなんだかお化けのようになってしまうことがしばしばでがっかりしてしまう。
 動画撮影時のシャッターの問題もある。今や過去の遺物(?)となった8mmカメラの時代から,私としてはシャッターボタンを押すと撮影開始,ボタンを離せば撮影終了,という習慣が染みついているのだが,それが通用しないのである。シャッターを1回押すと撮影開始,もう1回押すと撮影終了…これがデフォルトなのである。MZ3に至っては,なんとこのモードしかないのであった。
 このためにどれだけ電池とメモリーを無駄にしたかわからない。てっきり撮影を終えたつもりで,カメラをぶらぶらさせたりするとずっ〜とその間撮影を続けているのである。どうもメモリーの残りが少ないと思ったらそういうことだったのだ。旅先かなんかでこれをやってしまうと,メモリーがいつの間にかいっぱいになって,せっかくのシャッターチャンスに写真が撮れないなんてことになりかねない。
 年寄りは昔の習慣がなかなか抜けないものである。その辺のことを考慮してもらえるとありがたいのだが。
 それにしても「デジカメ」が三洋電機の登録商標とは知らなかったなあ。

(2002年11月)

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