Libretto L1をWindows2000にした上で,NTFSにしてみたら,動作がえらく遅くなってしまった。仕方がないので,英語版のWindows2000入れてみた,という話は前に書いた。
いろいろ試みてはみたが,やはり遅いのは我慢がならない。
というわけで,NTFSをやめてFAT32に戻すという大決心をしたのであった。
決心をするまでは時間がかかるが,いったん決めてしまえばあとの行動は早い,というのが私の数少ない取り柄の一つである。
元々Librettoにはたいしたデータは入れていないし,あったとしてもデスクトップにコピーがある,というわけで,さっそくLibrettoをフォーマットをしてしまう。
フォーマットをしてから,気がついた。
どうやってOSを入れようか?
もちろんLibrettoにはCDとかフロッピーなんてものは内蔵していない。外部につながるものといえば,PCカードとUSBとモデムだけである。いくら何でもモデムでは話にならないだろう。とはいっても,LANカードやPHSのカードでも無理そうだ。
仕事場にはSCSIのPCカードとそれにつながるMOドライブがある。これだ,と思ったが,どうもこれではダメであることに気がついた。
要するに外部から起動できるシステムでないと話にならないのだ。
USBにつなげて起動可能なCDドライブがあれば話は簡単である。買ってくればいいのだろうが,そんなことをしたらおもしろくも何ともない。少ない予算で苦労するところがよいのだよ。(ちょっとMが入っているか……。)
そうだ,USBでつながるフロッピードライブがあるじゃないか,これを使えばいい。
このドライブは,ここから起動も可能という優れものである。
これで一件落着,と思いきやそうは問屋が卸さない。
フロッピーから起動してあとはどうするのだ。USBでつないだCDドライブが見えないことには話にならないのだ。
そこでまたまた思いついた。そうだ,古いLibrettoについてきたWindows95はFD版だった。これを使って,まずWindows95をインストールして,そこへ2000を入れればいいじゃないか? なんて頭がいいんだ。
さっそく行動開始。
しかし,まあ大変な作業である。フロッピーがなんと30枚もあるのだ。オプションは必要最小限にしても20数枚はインストールする必要がある。
さっそくインストール開始!
そうして,さらに大きな問題点に気がついた。Windows95ではHDのパーティーションが2GBまでしかとれないのだ。
まず,2GBのパーティーションをとって,あとはどうする?まあ,とにかくやってしまおう,2GBあれば,Windows2000のシステムだけは入るだろう。
3日ぐらいかかって作業を終えた。途中いろいろあって,何回もインストールをやり直したのだ……。
無事Windows95が立ち上がった。VGAの画面だが,まあよしとしよう。
そこで,また気がついた。このあとどうするのだ?
USBかPCカードを利用して。CDかネットワーク経由でOSを入れ替えていけばよい。
と思ったのもつかの間,USBやPCカードのドライバはどうするのだ。
USBが正式にサポートされたのはWindows98からである。PCカードのドライバも必要である。DOSでconfig.sysとかをいじって,入れたりするらしい。そんな面妖な……。
3日間ほど考えた。でも名案が浮かばない。
どう考えても面倒そうだ。別の方法にしよう。
別の方法とは,Librettoのハードディスク(HD)をはずして,デスクトップのPCにつなぎそこにOSをインストールする方法である。
実はこの方法は最初に考えたのだが,Librettoの分解に手がかかりそうなので最後の手段としてとっておいたのだ。こうなったら仕方がない。
HDをつなぐケーブルはせいぜい数百円。それを買ってきた。
LibrettoのHDをはずすのは確かに面倒だ。知識がなければできるものではない。ただ,そこはインターネット社会の強み。検索をかけると,同じようなことを考えた先駆者がいるわけで,写真入りで詳しい分解法が載っていたりする。
そんなページを参考にしながら,分解してしまう。フレキシブル配線が細かいのでちょっと苦労はしたが何とか成功した。この手の分解や組み立てで,一番のポイントは,「エイ,やあ!」という勢いである。おっかなびっくりやっているとなかなか進まない。もちろん,むやみに力を入れるとハードが壊れるに違いないのだが,要所は「エイ,やあ!」である。(と,えらそうに書いているが,過去にCPUのピンを1列ひん曲げてしまったり,それなりの苦労はしているのだ……。)
はずしたHDをPCにつなぎ,さっそくWindows2000のシステムをインストールして,Librettoに戻したのであった。
ところが,これがダメなのである。起動の途中でエラーメッセージを出して止まってしまうのだ。どうやら,インストール時のハードと異なっていることを怒っているらしい。
そこでまた考えた。まず,HDにWindows98を入れて,それを2000にアップグレードすれば何とかなるのではないか?
また,Librettoの分解である。(実は,最初は起動しない理由がわからず,何回か2000を入れ直している。ネジ山がつぶれてしまいそうである。)
そんなわけで,Windows98をHDに入れて,それをLibrettoに戻し,そこから英語版のWindows2000をUpgradeで入れて,ようやくFAT32のLibrettoに戻ったわけである。
ああ,しんど。
(2003年7月)