パソコンの機嫌が悪い

 最近パソコンの調子が悪い。電源を入れてもうまく起動しないことが多く,数回リセットボタンを押すことにより,やっと立ち上がるような状態になっている。
 いろいろ調べてみたが原因はよくわからない。CMOSのクリアだとか,電源ユニットの交換だとかいろいろやってみたけれどどうもうまくいかない。CPUやビデオボードも何回か取り替えているし,接触不良なども絡んでいるかもしれない。
 そろそろWindowsXPも出る頃だし,この辺が潮時かもしれないと考えて,マザーボードを交換することにした。
 今までのマザーボードはABITのAB-BH6という結構ポピュラーなもので,購入時はCeleronの433MHzだったが,その後BIOSをアップグレードして,PentiumIIIの600MHzを動かしている。
 予算もないので,PentiumIVの1.5GHzが動くものにしようと思った。これでも昔は結構スピードマニアだったのだが,年取ってからは,まあそこそこに動けばいいや,とちょっと枯れてきている。これ以上のスピードのものとなると急激に値段が上がるので,1.5GHzあたりが一番コストパフォーマンスがよい感じなのである。
 ところが,いざ買いに行くと品切れ続出で,そもそもPentiumIV自体の在庫がほとんどなく,あっても1.8とか2GHzあたりのそれも異様に値段の高いものばかりである。
 それでも,ひと月ぐらいは待ったろうか?
 そのうち,だましだまし使っていたパソコンがいよいよ起動しなくなってしまった。
 これは本気で取り替えるしかない,ということで,秋葉原へ行ったのだが,PentiumIVは相変わらず品切れである。

Athlon1600+を購入

 こうなったら,仕方がない。ここ数日のうちにパソコンを動かすためには,長年慣れ親しんだIntelからAMDに乗り換えるしかない,というわけで,AthlonXP1600+とGIGABYTEのGA-7VTXE,それにメモリはちょっと奮発して512MBytesを購入した。
 まあ,衝動買いというわけではなく,一応それなりに調べてはいたわけだが,AthlonXPの場合,OS(WindowsXP)のクリーンインストールが必要だという情報もあって,仕事に追われる身としては少し面倒かな,という気もあったのだ。
 XPとか1600+なんて名前の付け方もちょっとせこい感じがしたが,その辺はまあ年の功で許してやろう。

そういえば,全部PCIだった

 家に帰って,飯を食う間も惜しんでいざ交換,となったのだが,ボード類をはずしていてふと気がついた。ISAばっかりじゃあないか!
 私はどちらかというとけちな方で,ボードの類も3世代ぐらい前のものを引き継いでそのまま使っていたりする。SoundBlasterなんて,いつの時代のものかわからないくらいだ。
 今度のマザーボードはもちろん全部PCIのスロットばかり。LANボードは,幸いにPCIであるのでOK。サウンドはとりあえずマザーボードに乗っているものを使うとして,結局,SCSIとモデムのボードをどうするかということである。我が家はCATVのインターネットサービスに加入しているので,モデムを使うことはほとんどない。だからこれも良しとしよう。
 SCSIにはKonicaのQscanがつながっている。このフィルムスキャナーも一昔前のものだが,結構重宝しているので動かないと困るのである。すでにメーカーにも見捨てられているようで,ホームページを見ても新着の情報がないので,たとえばUSB→SCSIの変換アダプタ経由で動くかどうかがわからない。
 SCSIのボードは買うしかない,ということで,翌週休日出勤の帰りに秋葉原に寄って,一番安そうなTEKRAM DC-315Uというボードを買った。脇に正体不明のモデムボードが980円で売られていたので,ついでにそれも買ってしまった。しめて税込み3.520円だった。

ヒートシンクには悩んだよ

 マザーボードの交換は,明るく広い場所を確保した上で,下に新聞紙などを敷いて,コード類はもちろん全部抜いて,ケースのカバーではずれるものは全部はずして取り組むのが正しい姿勢である。
 だいぶ昔,CPUを取り付ける際に,横着にもタワーケースを使用時のまま,すなわち立てたまま,床に寝転がってやろうとしたら,入れ損なってピンの1列がクニャリと全部外側に曲がってしまい,元に戻すのにえらい苦労をした覚えがある。だから,しっかりと場所を確保してから取り組むべきである。
 さて,最初にCPUをマザーボードに取り付けたのだが,ちょっと悩んだことがあった。
 取説には,ヒートシンクの裏には保護用のプラスティックフィルムが貼ってあるので,まずそれをはがす必要がある,と書いてあるのだが,そのフィルムが見えないのである。フィルムをうまくはがせなかった場合は,オーバーヒートや故障の原因になるというような物騒なことまで書いてある。
 これは大変,とばかりに目を凝らしてみるのだが,ピンク色の薄いゴム状のものが貼ってあるだけで,シールは見つからない。いくら年をとって目が悪くなったとはいえ,取説を見る限り白地に文字の印刷されたシールのようだから,よもや見落としはすまい。長年の経験からいうと,仕様書と実際が違うことはよくあることだから,これは透明なシールに変更されたに違いない。そう思って,そのピンクの皮膜の上にあるはずの透明なシールを浮かせようと爪でガリガリひっかいたのである。どうも怪しい,何かヘンだ。薄いゴム状の皮膜がはがれてくるではないか!
 冷や汗がタラーリと出たところで,作業は中止,そのまま取り付けることにした。よくはわからないがシールはなかったことにしておこう。その後そのまま使い続けているが,別に問題なく動いているので,まあそういうことである。(今,GIGABYTEのツールでCPUの温度を確認したところ,47℃と表示された。大丈夫そうである。)
 ヒートシンクの取り付けにはかなりの力がいる。マザーボードが割れてしまうのではないかと心配になるくらいだが,長年の経験からいって,パソコンの組み立ては思いっきりやる方がよいというのがわかっているので,エイヤッと力を込めて取り付けた。

スペーサーはカットしてしまえ

 次はケースへの取り付けである。ここでも問題が起こった。スペーサーの穴が1か所合わないのである。この辺は規格ものだから,合いそうなはずだが,なぜか合わないのである。そういえば以前も同じことがあった。そのときはそのままにしていたが,今回は真ん中あたりで拡張ボードを取り付ける際に一番力のかかりそうなところなので,放っておけない。仕方がないのでスペーサーの底をカッターで削り取って,シャーシにマザーボードが乗るだけにしてしまった。これなら力が加わっても安心である。この辺の処置はやはり年の功であろう,と自画自賛しておきたい。
 後は,とりあえず,中のケーブルをいくつかつないで,ビデオボードを入れて,モニタをつなげて,電源を入れてみる。BIOSの起動画面が出ればひと安心である。
 適当なところで電源を切って,残りのボードを取り付けて,カバーをつけて,元の位置にセットして,外のケーブルをつないで,完成である。
 起動すると,Windowsが環境の変化に気づいていろいろ言ってくるが,まあそれなりに対応すればよい。
 というわけで,次はOSをWindowsXPに変えようかと思う。

(2001年11月)

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