21年度学力定着度調査

 
 

学 校 経 営 方 針
1. 学校経営の基本理念

 今日、日本の学校教育は長い変革期にあり、様々な課題が山積しているが、それにたじろぐことなく、国や都、そして品川区の教育課題に正対し、日々安定した教育活動を進め、新たな課題を自ら設定していくことのできる提案型の学校を創造していく。
 学校経営を進めていくに当たって、その根底に常に置いておきたい点について以下に述べる。

(1) 教育は人なり
 
 極めて当たり前で、よく使われる言葉である。しかし、私のこれまでの教職経験から、つくづく、この言葉が、実に的を射た言葉であり、重いものであると考えるようになった。
 教育とは、人が人を教え導くという、人格形成に直接影響を与える崇高な営みであり、特に、教師の専門性が問われる営みといえる。それ故、教師とはやりがい、生き甲斐のある仕事であり、然るにその責任は当然にして重い。教師として、自分が日本の将来を担う「人づくり」という教育の仕事に携わっているという実感を得ることが大切である。
 また、教育は、教師の覚悟次第、やり方次第で伸びるといえる。教員の資質向上は、専門的知識や指導技術はもちろんであるが、それよりも、もっと大事なのは、人間愛・教育愛であり、この方により目を向けなければならない。換言すれば教師の人間性が教育そのものとなり得るのである。教科担任機能は大切であるが、それ以上に重要なのは人間担任機能であると考える。何故なら、それは教師が人間(子ども)を教育しているからである。

(2) 学ぶことは変わること
 「確かな学力」は「確かな学び」から始まる。学習するということは、結果的にその子自身が、学習前と学習後でその学習内容についての見方や考え方が変わることであると考える。それが「学ぶ」ということの意味ではないかと考える。従って、学習の究極の形としては、授業を通して、児童一人一人の個性・能力に応じた、きめ細やかな指導がどれだけ提供できたかということであり、学習後にはどの児童にも明らかな変容が認められるということである。教師がその子の個性や能力をどこまで認めてあげられるか、その子の可能性を信じてあげられるかが、子どもの心の安定や、学びの意欲にもつながっていくものと考える。個々の児童の「学びのスピード」や「学びのスタイル」に着目し、一人一人にきめ細やかに対応できるよう教師相互が専門性を磨き合い、指導体制や指導内容を常に吟味し、有効な指導方法を工夫・改善していくことができる学校組織にしていく。

(3) 感動する心と感性を豊かに
 
  学びの始まりは感動する心から始まるものと考える。人間は、心を動かされることによって探求心が生まれ、また、生きる活力が生まれてくるものである。感動は二つの視点から考えられる。一つは「驚き・疑問」であり、もう一つは、「心を打たれる・感銘を受ける」というもので、生きる力につながるものである。無感動に過ごしている子どもはいないか、学び合いが見えない教室はないか確かめる必要がある。もし、そうだとしたら、まず、教師や親が感動する心を取り戻すことである。そして、子どもの生活の中に、感動できる場面を設定し、有効な刺激を与えることである。「驚き・疑問・感銘」を子どもの心に呼び起こし、それを探求心や生きる力につないでやらねばならない。教師としては、すばらしい教材と適切な発問、助言、激励、賞賛などを子どもに即してタイミングよく出していくことである。この感動する場面の設定は学校だけではなく家庭の中でも設定したい。

(4) 小さな改善、大きな成果

 「始まりは全て小さい。」との言葉があるが、小さな改善の積み重ねが、確かな成果・大きな成果を生み出すことに繋がる。全ての教育活動・校務分掌において、この考えを浸透させて、自主的に取り組んでいく。
 子ども・教職員に、この考え方を定着させ、よりよい学校づくりを目指す。
 また、学校だけではなく、保護者や地域の方々にも、「小さな改善」を訴えながら、「身の回りのできることから」を合い言葉に、区・都・国の教育改革を確実に進めていく。

(5) 家庭・地域とともに歩む学校
 
  今は、学校完結型の教育は成り立たない。それぞれが自らの役割をしっかりと担い、連携・協力し合って、子どもの教育を進めていくことが肝要である。学校と家庭との役割を分担し、それぞれがそれぞれの立場に立って責任をもって、子どもの教育を進めていく。 もちろん、連携・協力していく上での課題は多々あるが、基本的な教育の役割分担は必要であるものと考える。今後の保・幼・小の連携も視野に入れた学校経営を目指す。
 また、よいことも、よくないことも、学校の実情をありのまま伝えていく姿勢をもつ。 この姿勢こそが保護者や地域社会からの信頼と協力を得る基であると考える。もちろん、誤った解釈や意図したことと違った方向に進んでいくような場合には、学校の毅然とした態度を示すことは重要であると考える。

2. 学校の教育目標

変化の激しい社会に主体的・創造的に生きる児童を育てるため、人間尊重の精神を基盤とし、一人一人の個性や能力に応じた教育を重視し、義務教育小中9年間を見通した身に付けるべき確かな学力と豊かな人間性・社会性の育成を目指す。そのため、以下の3項目を伊藤小学校の児童の目標として全人教育を推進する。 

(1)児童の目標

○ よく考える子
○ 人をおもいやる子
○ 健康でねばり強い子

(2)教育目標を達成するための具体的方策

一人一人の児童が、確かな学力と豊かな人間性・社会性を身に付けるとともに、自己の個性や能力を十分に伸ばし、社会の中で生きる道筋を見つけながら自己実現を図れるようにするため、児童の指導にあたる教師自らの意識に変革を求め、授業力や指導力を高める。また、小学校6年間と中学校3年間の接続をスムーズにし、小中9年間で一貫した指導を行うために次の5点を基本方針とする。


@ 小中一貫教育の推進

上神明小学校・冨士見台中学校と本校の三校による研究を継続・発展させる。そして、小中9年間の教育課程に一貫性をもたせるとともに、継続的な指導を行い、個に応じた学び方で確かな学力の定着を図るとともに、自らの道を主体的に切り拓く力を身に付けた児童を育成する。また、人として生きていくために必要な資質や能力、規範意識など、豊かな社会性と人間性のあふれた児童を育て、中学校に引き継いでいくとともに、教師自らが指導を振り返り、自らの指導に責任をもつ教師集団にする。

ア 教科、英語科、市民科の充実

・ 各教科、英語科、市民科の年間指導計画を見直し、改善を加え、系統的な指導を行うことによって、基礎・基本を確実に身に付けさせる。そのために1年生から4年生、5年生から7年生、8、 9年生、3つのまとまりの接続をスムーズにし、小中9年間の系統性・一貫性のある指導内容や一貫した指導法について、研究授業を通して検証するとともに、学習内容の定着状況を評価していく。
・ 学校の教育活動全体を通して互いを認め合い・尊重し他者を思いやる心を育てる。また、市民科では、5領域15能力について、児童一人一人の状況を把握し、バランスよく能力を付けさせる。学習を通して「自己の理解」から「他者の理解」へつなげ、個人と社会・集団とを常に考えさせ、身に付けた能力を実生活で実際に活用できるまで高め、豊かな社会性と人間性のあふれた児童を育てる。

イ 生活指導の充実

・ 確かな学力の定着を図るためにも生活指導の徹底は、指導の効果を上げる上で重要である。今年度も授業規律やあいさつや話の聞き方等を重点指導項目に据え、上神明小学校、冨士見台中学校と指導の重点項目を設定し、9年間を通した指導方法の共通理解を三校で図り継続的で一貫性のある指導を行う。指導の成果と課題を明らかにし、家庭や地域との一層の連携を通して健全育成に努めるとともに望ましい生活指導の在り方を探る。
・ 外部評価の要望にあった挨拶の習慣化は、本校での強化週間等の取り組みとともに地域、家庭と協力して定着を図るため、地域へ協力依頼のお知らせを配布したり、保護者会や生活指導だより等で保護者の意識を高めていく。

ウ 小中連携学習

・ 小中の接続をスムーズにするため、5・6年児童が冨士見台中学校へ出かけていき、中学教員の指導を受ける連携学習を年間6回行う。学習内容は、5・6年生と7年生の橋渡しとなる教科学習を行う。小学校教員は、7年生の算数・数学科、音楽、美術の指導にあたる。
・ 6年生は、年間2回の部活体験と冨士見祭への参加を市民科「将来設計」の単元として位置づける。

エ 進路指導

・ 進路指導の年間計画に基づき各教科や市民科学習を通して、将来に対する目的意識をもち、自ら進路を選択していくための素地を培う。
・ 小・中学校の連携活動を通して、児童が具体的な情報を得られるようにする。特に6年生は、中学校で中学校教員に学ぶこと、児童と生徒との交流活動などを通して、中学校進学への不安を解消し、夢や目標をもって自らの進路を考える進路指導を行う。
・ 保護者会や面談を通して保護者や児童への相談体制を作り、進路選択ができるようにする。

オ 教科担任制

・ 教師の専門性を生かし、児童の学力の定着を図るために、5,6年生において一部教科担任制を実施する。


A 基礎・基本の定着

ア 指導法の工夫

・ 学力定着度調査で定着の不十分な算数科に少人数・習熟度別学習を導入し、担任・加配教師と指導助手を有効に配置し、習熟度別指導方法の工夫と少人数による指導により定着率を高める
・ 算数科を通した校内研究会で算数の指導法を追求し、学力の向上を図る。
・ 外部評価を受けて、「伊藤タイム」での伸び、単元の学習終了時の定着状況などをいろいろな角度から比較して成果や課題を明らかにしていき、保護者・地域へ公表する。


イ 「伊藤タイム」と「ステップアップ学習」

・ 朝の帯の時間に1年生から4年生までは、基礎学力の読み・書き・計算の習熟を図る「伊藤タイム」を設定し、5年生からの「ステップアップ学習」につながる内容を指導をする。
・ 5・6年生は、朝の「ステップアップ学習」や昼の「ミニ学習」と45分間を1単位として指導する「ステップアップ学習」において算数科・国語科の内容の基礎、基本の定着を図る。45分で行う「ステップアップ学習」の指導は、担任、加配教員と専科教員、低学年担任も加わり、全校指導体制で臨む。


ウ 「サマースクール」

・ 夏季休業中には、校内学力調査、一学期の学習、伊藤タイム・ステップアップ学習の定着状況の分析を基に、学年ごとに指導内容を補習学習「サマースクール」を全校体制で実施する。

B 学校の安全管理体制

ア 意識を高める
・ 学区内安全巡視や多くの保護者や地域住民の参加を得て行うセーフティ教室の設定など、児童の安全、非行・犯罪防止の意識を高めるための機会を意図的に設定する。

イ 集団下校班
・ 年度当初に、通学コース別の集団下校班を編制し、非常災害時・緊急事態発生時の登下校の安全に備える。学期に一回は、集団下校班で担当教員と下校する訓練を行う。
・ 保護者には引き取り訓練等を通して、我が子の登下校する通学路を確認させるとともに、危険な箇所にも目を向けてもらい、児童の安全を確保していく。

ウ 安全確保体制
・ 学校公開や運動会など、不特定多数の参観者が来校する場合は、受付・校舎内外の巡回など、PTAにも協力を依頼し、これまで以上に安全を確保していく。
・ 教職員は、日頃より来校者へのあいさつ・声かけ、用件を尋ねるなどを心がけ、来校者へ注意をはらう。

C 開かれた学校づくり

ア 「協力・連携システム」
・ 学級・学年の保護者との連携だけでなく、他学年の保護者や地域の方とのコミュニケーションを深める。そのために、PTA行事・地域行事に参加する教員の「協力・連携システム」を継続し、年間を通して学校全体で協力・連携していく。

イ 情報提供と共有
・ 学校の取り組みと成果と課題、児童の様子などについて、校内の掲示物、学校だより、学年だよりの内容を工夫して保護者・地域に発信していくとともに、連携・協力しながら保護者・地域の情報を得る。
・ 指導や取り組みの後には、伸びや変化を分かりやすい表現や数値化、グラフ化、写真掲載などで説明する。同時に、ホームページも活用し、情報を発信していく。特に、小中一貫教育について紹介するとともに成果や課題を明らかにし、課題に対しては新たな改善策を伝える。

D 特色ある教育活動

ア ボランティア活動
・ 学年の発達に合わせ、ボランティア活動を体験させることを通して、地域や社会に貢献する奉仕の精神を養う。各学年、年間2回、校外へ出て公園や公共施設の清掃をする。秋には、校庭の落ち葉はきを学年毎に日を分けて行い、自分たちの手できれいな環境にしていく。
・ 高学年が異年齢の縦割り班活動でリーダーになったり、1年生のお世話をしたりすることなど、自分のことだけでなく、学年や学校という集団の中での役割を学ぶ機会を意図的に設定する。

イ 図書館教育
・ 18年度から導入された学校図書館ネットワーク化に伴い、図書館部を中心として、担任、図書館スタッフ、図書ボランティアを有効に機能させる。
・ 図書室の環境整備、図書の貸し出し、読み聞かせ等を継続的に行い、読書に親しませたり、調べ学習に取り組ませたりするとともに、各教科学習を関連させ、読解力を育む。

ウ 異年齢活動
・ 2学年ごとで行う遠足、異年齢集団を編成しての縦割り班活動など、異年齢による自発的・自治的活動を推進させ、協力してよりよい学校生活を築こうとする自主的・自発的態度を養う。

エ 保幼小の連携
・ 5年生と1年生が幼稚園、保育園の年長児と日常的に接することにより、幼児への思いやりを学ぶ。
・ 幼児に児童との交流活動を通して小学校へのスムーズなつながりを持たせる。