追憶の水仁線

韓国国鉄ナローの記憶から
Schmalspurbahn in Republik Korea



はじめに
ここでは韓国国鉄ナロー「水仁線」をご紹介します。
 僕が初めてこの鉄道の存在を知ったのは1988年の暮れ、会社の同僚と純粋に「焼き
肉でも食べに行こう」と韓国へ訪ねた時のことです。
 城郭都市水原の町を見るため水原駅に降り立った際、駅舎の脇に小さな気動車が
止まっているのが目に入りました。
 このときはどういう線なのかも分からず帰国しました。やがてこの線が現存する国鉄
唯一のナロー(軌間762mm)水仁線であることを知り、それ以来いつかこの線に乗って
みたいと考えていました。
 そして1990年の年末に再度の訪韓が実現し、その際に撮影したのがここでご覧頂く
写真です。

水仁線とは
この線は、朝鮮京東鉄道という私鉄が水原〜仁川間52kmを結ぶ鉄道として1937年に
開業させています。輸送の目的は沿線の塩田で作られる塩の輸送であったそうです。
 その後1970年頃、仁川の駅は南仁川に移動し、1973年には南仁川〜松島間が廃
止、その後は残った水原〜松島間46.3kmでの運行が続きました。
 1977年まで蒸気機関車牽引の貨物列車も運行されたようですが、以後は気動車によ
る旅客輸送のみが細々と行われてきました。
 末期に使われた気動車は韓国仁川工作廠で作られた160型6輛で、そのうち1輛が富
谷の博物館へ搬入されたので最終的には5輛で運行され、これに増結用の付随客車
も用意されていました。
 しかし、モータリゼーションの波に逆らうことが出来ず、1995年末の休止を経て廃止さ
れました。



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