YSteC  Yverdon-Ste. Croix
イヴェルドン サン・クロワ鉄道

YSteCはスイス西部にあるヌーシャテル湖畔の街Yverdon(イヴェルドン)からジュラ山麓の村
Ste.Croix(サン・クロワ)を結ぶ24kmのメーターゲージの私鉄である。
1991年、私鉄巡りでスイスを訪ねた僕は、フランス語圏の地味な私鉄を乗ってみるのも楽しか
ろうとSBB(スイス国鉄)のイヴェルドン駅に下車したのであった。
この旅行時は連日の曇天で、YSteCに乗った日も頭の上には重たい空が広がっていた。


全長:24.167km
軌間:1000mm
電化:交流 15KV 16 2/3Hz
最急勾配:44‰(粘着方式)
最急曲線:半径100m


撮影:1991年5月
機材:Nikon F3HP 35mmF2.8 50mmF2.0 85mmF2.0
フィルム :PKL


イヴェルドン駅で並ぶ電車と貨車
左の付随電車BDt54はこの時の最新型。AB(アッペンツェル鉄道)やCJ(ジュラ鉄道)にも同系の電車が見られた。
奥の貨車はこの私鉄のもの。扉の絵が好いアクセントだ。

このセンスの好さ!
車体のカラーとロゴのデザインがよく調和している。
一段下降の大窓はスイスらしさを醸し出す。
その窓からはアルミ材を贅沢に使った車内が見え、素晴らしいデザインの座席が並んでいる。

イヴェルドン駅の乗り場
海抜435mにある起点イヴェルドン駅。
画面左端が国鉄のホームである。
YSteCの線路は国鉄の駅本屋の横腹に突き当たるように敷かれていた。
これから乗車する電車はBe4/4 5で後ろに有蓋車を1輛つなげていた。

Six-Fontainesにて
起点より14.4kmにある小駅。駅名を訳せば「六泉」。日本と同じような地名のつけ方である。
既に勾配区間に差し掛かり海抜は705m。この駅を出ると画面奥で線路は大きく180度右へ曲がり更に勾配を上っていく。
電車は前掲と同様の車輛で、この日はこの5号車ばかりと遭遇した。

Six-Fontainesの駅本屋
設計意匠は山小屋の風情である。
スイス私鉄の書籍にこの建物と電車が並んだ情景が出ており、その写真ではベランダに美しい花が咲いている。
僕はこの建物を見るのを楽しみにしていたのだが、訪問した時はこのとおり。
季節外れなのか、或いは無人化されて廃れたのか・・・塗り壁も剥げかかりスイス私鉄の駅にしては珍しく「荒れ放題」の印象を受けた。

丘を行く電車
まるでゴルフ場のような草地の向こうを単行が過ぎる。
画面奥がヌーシャテル湖の方角だ。

林間を抜けて
この旅行では選んだ私鉄の全線に乗り、必ず途中下車をして走行写真を撮るのが鉄則であった。
この私鉄の運転頻度は毎時上下各1本で、一旦下車をすると再乗車まで2時間を要した。
人家もないような寂しい沿線でひたすら電車が来るのを待っていた。

勾配が急になって
勾配区間が続き、トンネルも現れ山岳線の様相になる。

終点 Ste. Croix
終着駅サン・クロワ。
時計とオルゴールで知られる豊かな村である。
海抜は1066mで、周囲の傾斜地には一般民家に混じって別荘と思われる集合住宅も点在している。
電車は牽いてきた有蓋車を切り離し、代わりに郵便車を連結し発車を待つ。
このBe4/4 5は1945年製で、元は1、2等合造のABe4/4型だったようだ。その名残だろう、窓配置も不規則だ。

サン・クロワのホームにて
1時間に1本の電車というのに売店の商品の豊富さには目を見張る。
店員の小母さんは愛想が好かったので、僕は電車の絵葉書を何枚か買ってしまった。
結局、撮影などに追われ駅構内から一歩も外に出ることなく上りの電車に乗り込んだ。

−おわり−




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