111系をベースとして、勾配路線向けに出力を増強し、抑速ブレーキを装備したもの。車体は111系とほぼ同じで、鋼製の20m級3扉。座席はセミクロスシート。台車も111系と同じコイルばね・ウイングばね式のDT21BとTR62。主電動機は111系より出力アップしたMT54(1時間定格出力120kW)。駆動は中空軸平行カルダン、制御は電動カム軸式、制動は電磁直通(発電併用)で抑速ブレーキ付きである。1963年から約20年間、1921両が製造された。多くは湘南色かスカ色で登場したが、前面の塗り分けが111・113系とは異なっている。
 
2022.2 御代田〜平原間
国鉄
 0番台 
 113系0番台と同じく、大目玉、非冷房で登場した。最初は、東北・高崎線上野口における80系や客車列車を置き換えるために投入され、その後、スカ色の中央線にも投入されている。転属も多く、全国の直流電化区間で使用された。後年シールドビーム化されたため、他の番台との見分けが難しくなっている。
 
115系0番台 スカ色
 300番台 
 1973年以降に製造されたものは、113系0’番台と同じようにシールドビーム、新製冷房車となり、300番台に区分された。東北・高崎線と中央東線に投入されている。
 
1985年頃 スカ色
 1000番台 
 新潟地区、長野地区などの寒冷地に投入するため、耐寒耐雪装備を強化したもの。シートピッチも拡大されている。
   
1990.3 湘南色:大前駅  1988.3 湘南色:姫路駅?
 2000番台 
 寒冷地の1000番台に対し、暖地向けのシートピッチ拡大車。身延線と山陽エリアに新製配置された。身延線運用車は、国鉄時代には珍しい地域固有の塗装であった。
 
1986.3 身延線色:甲府駅
 3000番台 
 115系唯一の2扉車で、転換クロスシートを採用している。1982年に「ひろしまシティ電車」として運行を開始している。登場時は瀬戸内色と呼ばれる独自塗装が採用されていた。
 
 番台  Mc
114
 Mc
115
M
114
M
115
Tc
115
T
115
 前歴  登場  消滅 備考
 0番台 17 121 135 228 37 新製 1963.1-71.7 2016.2
800番台 31
300番台 26 144 118 170 30 1973.10-77.12
1000番台 84 211 127 143 28 1977.12-82.11
1100番台 59
2000番台 13 29 29 34 1978.3-81.7
2100番台 27
2600番台 13
3000番台 12 12 21 1982.9-83.6
3100番台 21
500番台 7 20 M114
M115
T115
1983-  
550番台 6
650番台 4
1500番台 20 66 13
1600番台 1
 ※国鉄時代のおもな形式を示す
JR東日本
 新前橋電車区/高崎車両センター 
 宇都宮とともに、115系が最初に配置され、高崎線で運用される。1000番台の登場後は、上越線、吾妻線などに残っていた旧型国電が置き換えられた。2001年に高崎線運用が終了した後も、上越線・吾妻線・両毛線などの運用は長く残る。最後まで湘南色で統一されており、2018年3月に営業運転を終えている。

  1964    高崎線運用開始
  1978.10  1000番台運用開始
  2001.11.30 高崎線における運用終了
  2018.3.16  定期運用終了
  2018.3.21  最後の営業運転
 
 2016.5 1000番台:高崎問屋町付近
 番台  Mc
115
M
114
M
115
Tc
115
T
115
 前歴  登場  消滅 備考
 0番台 2 12 11 22 5 国鉄 1987.4
300番台 4 4 3 2
500番台 1 2
800番台 2
1000番台 18 37 19 36 22
 ※車両数はJR発足時のもの
 小山電車区/小山車両センター 
 小山電車区発足時、宇都宮の115系が転入し、東北本線などで運用された。E231系に置換えられて2004年に上野口から撤退し、定期運用を終えている。東北・上越新幹線開業前の上野駅に何度か写真を撮りにいったのだが、115系は下の写真に僅かに写っているだけだった。

  1963.1   東北本線にて営業運転開始
  2004.10.16 東北本線上野口における運用終了(定期運用終了)
  2005.1.15  最後の営業運転
1984年頃 上野駅(左に少しだけ移っている車両)
 番台 M
114
M
115
Tc
115
T
115
 前歴  登場  消滅  備考
0番台 30 33 76 19 国鉄 1987.4 2005.3
300番台 97 97 117 9
800番台 3
1000番台 26 26 39 2
 ※車両数はJR発足時のもの
 上沼垂運転区/新潟車両センター 
 1976年に上野口から0番台が長岡へ転属して、新潟エリアの運用が始まる。1978年からは1000番台が新製配置された。1984年の越後線・弥彦線電化によって運用が拡大し、転入車や改造車などさまざまな番台の車両が使用されている。JRとなって、4両編成(L編成)、3両編成(N編成)、2両編成(S編成)と弥彦線用500番台(Y編成)に整理される。塗装は、新潟色と呼ばれるものが3種類、弥彦色と呼ばれるものが2種類あり、バラエティに富んでいる。2014年からE129系の投入によって急速に数を減らしているが、同時にさまざまなリバイバル塗装車が誕生している。

  1976   信越線などで運用開始
  1984.4.8 越後線・弥彦線電化、115系運用はじまる
  1986.10  旧新潟色への変更開始
  1993.11  新潟色への変更始まる
  1994.3-98.1 弥彦線運用車を新弥彦色へ変更
  1999.12.4 長岡運転所配置車を新潟(上沼垂運転区)に集約
  2000.6   新新潟色への変更始まる
  2011.7   湘南色復刻車登場
  2017.1   懐かしの新潟色登場
  2017.9   旧新潟色復刻車登場
  2018.9-10 新潟色(2次)、弥彦色(2次)復刻車登場
  2019.9   弥彦色(1次)復刻車登場
1987.3 1000番台旧新潟色:新潟駅  1990.3 500番台弥彦色:弥彦駅
2016.6 1000番台新潟色:新津駅 2016.6 1000番台新新潟色:東三条駅
 2016.6 リバイバル湘南色:新津駅 2020.1 懐かしの新潟色:越後石山駅 
 2020.1 リバイバル弥彦色:新潟駅 2020.1 リバイバル新弥彦色:新潟駅 
2020.8 クモハ115-1061:新津鉄道資料館
 番台 Mc
114
Mc
115
M
114
M
115
Tc
115
T
115
 前歴  登場  消滅  備考
0番台 6 6 国鉄 1987.4
500番台 7 7 4
1000番台 30 40 5 40 3
1500番台 12 17 5
2000番台 8
 ※車両数は2000年時点のもの
 豊田電車区/豊田車両センター 
 JR発足直前の1986年11月に、スカ色の中央線運用車が三鷹電車区から転入した。2000年代には長野への転出が進み、2014年からは211系への置換えも始まって、2014年12月に定期運用を終了している。

  1986.11.1 三鷹電車区より転入
  2014.12.7 定期運用終了
  2015.1.21 最後の営業運転
 
2014.4 300番台スカ色:勝沼駅
 番台 Mc
115
M
114
M
115
Tc
115
T
115
 前歴  登場  消滅  備考
 0番台 13 13 国鉄 1987.4 2015.1
300番台 20 25 5 20 5
800番台 13
1000番台 1 2 1 1 1
 ※車両数はJR発足時のもの
 松本運転所/松本車両センター 
 1977年に1000番台が新製配置され、旧型国電を置き換えた。塗装は湘南色である。JR発足直前に一部が長野へ転出し、残りの車両も2007年に長野へ転出して松本所属車は消滅した。
 
  1977   松本運転所に新製配置、中央本線、篠ノ井線にて運用開始
  1986.11.1 一部が長野運転所に転出
  1989.6-93.2 信州色へ変更
  1993.1-95.5 長野色へ変更
  2007.3.18  全車長野へ転出
 番台 Mc
114
Mc
115
M
114
Tc
115
 前歴  登場  消滅  備考
1000番台 6 26 20 20 国鉄等 1987.4 2007.3
 ※車両数は1992現在のもの
 北長野運転所/長野総合車両センター 
 長野地区の115系は松本運転所に所属していたが、1986年に3両編成25本が長野へ転入。すべて1000番台である。1989年から信州色への変更が始まるが、1992年には早くも長野色へ変更された。
 2000年以降も転入が多く、2両編成、6両編成も登場。最大185両となっている。2015年10月に定期運用終了。残っていた訓練車も2019年10月に廃車となって消滅した。
 
  1986.11.1  松本運転所から転入
  1989.4-92.1 信州色へ変更
  1992.7-95.5 長野色へ変更
  2015.10.28 定期運用終了
  2019.10.15 訓練車廃車により消滅
 
2007.10 1000番台長野色:直江津駅
(左の車両)
  2014.4 1000番台長野色:勝沼駅
2021.5 信州色(復刻):軽井沢〜中軽井沢間 2019.7 コカコーラ塗装(復刻):中軽井沢駅
  
2017.2 訓練車:長野車両基地
 形式 Mc
114
Mc
115
M
114
M
115
Tc
115
 前歴  登場  消滅  備考
300番台 7 7 6 国鉄
松本
豊田など
1987.4 2019.10
1000番台 29 50 21 50  
1500番台 7 7 1
 ※車両数は2008年時点のもの
JR東海
 静岡運転所/静岡車両区 
 JR東海発足時、静岡・豊橋・神領の3ヶ所に115系が配置されていたが、すぐに静岡へ集約。御殿場線向け0番台と身延線向け2000番台があった。2007年3月に営業運転を終了している。
1986.3 2000番台身延線色:甲府駅
 番台 Mc
115
M
114
Tc
115
 前歴  登場  消滅  備考
 0番台 10 10 11 国鉄 1987.4 2008.4
 1500番台 1 1
 2000番台 13 13 13
JR西日本
 岡山運転所/岡山電車区 
 1976年に、関東地方からの転入車が配置され、運用が始まる。その後は1000番台新製車の投入もあり、さまざまな編成が運用されている。また、短編成化のため先頭車化改造車が多く登場しており、とくに1090番台は非貫通切妻、1600番台は貫通型の切妻で異彩を放っている。

  1976  山陽本線などで運用開始
  1982.7 伯備線電化
  2000  西日本更新色への変更始まる
  2010.5 黄色単色塗装への変更始まる
 
2022.7 300番台:倉敷〜西阿知間 2020.12 300番台黄色:備中箕島〜妹尾間
   
  2013.1 1000番台黄色:宇野駅 2024.1 1500番台:中庄〜庭瀬間
   
2022.5 1090番台:根雨駅 2019.6 1600番台:清音駅  
 
2016.8 1500番台ラッピング車:岡山駅 
 番台  Mc
114
 Mc
115
M
114
M
115
Tc
115
 前歴  登場  消滅 備考
 0番台 32 44 国鉄 1987.4
300番台 6 6 6
1000番台 70 58
500番台 2  
1500番台 34
1090番台 8 1000番台 2001.5-9 切妻先頭車
1600番台 4 1000番台
6000番台
2008.12-09.4 切妻先頭車
3500番台 7 7 117系 1992.2-01.12 編入車
 広島運転所/下関総合車両所広島支所
 国鉄型の近郊電車で、1976年に関東地方からの転入車で運用が始まっていたが、1977年から2000番台が新製配置された。当初は湘南色であったが、JR発足後にさまざまな塗装が誕生している。

  1976   山陽本線などで運用開始
  1989.5  瀬戸内色への変更始まる
  1993   3000番台転入、広島新快速色となる
  1999.2  西日本更新色への変更始まる
  2010.2  黄色単色塗装への変更始まる
  2019.3.16 広島地区での運用終了
 
2016.1 2000番台西日本更新色:広島駅 2016.5 2000番台黄色:倉敷駅付近
   
2016.1 2600黄色:広島駅  左:2000番台瀬戸内色、右:3000番台広島新快速色
 番台 M
114
M
115
Tc
115
 前歴  登場  消滅 備考
 0番台 10 10 29 国鉄 1987.4 非冷房車
300番台 6 6 12 新製冷房車
550・600番台 10 改造車
1000番台 3 3 3 耐寒耐雪仕様
2000番台 29 29 42 シートピッチ拡大
2600番台 9 113系 2012.6-13.4 2019.7 編入車
 下関運転所/下関総合車両所
 1982年から、115系唯一の2扉である3000番台が新製配置され、「ひろしまシティ電車」として活躍した。その後も各地からの転入があり、さまざまな形式が集まっている。黄色単色に統一されていたが、2023年に瀬戸内色が復活した。

  1982.11.15 3000番台の運用開始(瀬戸内色)
  1999.2  西日本更新色への変更始まる
  2010.2  黄色単色塗装への変更始まる
  
 
2019.12 3000番台黄色:厚狭駅 2016.1 1500番台:新山口駅
 
 2023.11 瀬戸内色(リバイバル):嘉川駅
 番台 Mc
114
Mc
115
M
114
M
115
Tc
115
 前歴  登場  消滅 備考
 0番台 17 17 16 国鉄 1987.4 非冷房車
300番台 6 6 12 新製冷房車
3000番台 12 12 42 2扉車
1500番台 4 4 福知山 2008.12-09.4 切妻先頭車
 福知山運転所/福知山電車区
 福知山は113系が主力であったが、少数ながら115系の4両編成も転入した。1991年からは独自塗装となっている。また、1999年の舞鶴線電化の際に、中間車を先頭車化改造した6000番台も登場している。これはMc-Mのユニットを2両編成にしており、M→Mcとなった先頭車は切妻である。5本投入されたが、4本は下関等へ転出して-5000の改番を行い、1本のみ舞鶴線に残っている。

  1988.11  岡山から4両編成転入、福知山線にて運用
  1991.11  福知山色への変更開始
  1999.10.2 舞鶴線電化、6000番台運用開始
  2004.10.16 4両編成の福知山線運用終了 
   
 2018.3 6000番台緑色:西舞鶴駅 0番台福知山色 
 番台 Mc
114
Mc
115
M
114
M
115
Tc
115
 前歴  登場  消滅  特徴
0番台 1 1 4 岡山  1988.11  2004   
1000番台      2 2  2
6000番台 5 5 1000番台
1500番台
1999.8-10 切妻先頭車化
車両配置表
 
1964 1968 1975 1980 1985 1987 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
新前橋 68 164 142 260 329 202 135 118 117 77 77 77 1
宇都宮 132
小山 260 467 508 554 584 608 497 484 36
長岡 122 102 101 98 91
新潟/上沼垂 56 54 80 105 190 190 190 199 21
三鷹 66 96 171 120
豊田 120 128 127 124 46 46
松本 122 148 50 50 72 61 84
長野 75 69 70 45 106 185 57
沼津 44 78
静岡 72 84 72 63 63
豊橋 6
神領 21
福知山 12 7 14 10 2 2 2
岡山 243 252 258 230 212 185 173 173 173 165
広島 216 192 192 194 124 100 88 88 80
下関 92 140 144 136 162 181 179 196 84
115系