キリスト教の聖地エルサレムは、7世紀以降はイスラム勢力下となっていた。11世紀末にビザンチン帝国がイスラム勢力のセルジュク朝にアナトリアを攻撃された際、西欧諸国に援軍を求める口実として使われたのがエルサレム奪還という大義名分である。第1回十字軍は大成功に終わり、オリエントにいくつもの十字軍国家が建国されるが、その後はイスラム勢力におされ200年程で全滅している。 1096〜99年 第1回十字軍(エルサレム攻略、十字軍国家建国) 1147〜48年 第2回十字軍 1187年 アイユーブ朝のサラディーンによりエルサレム陥落 1189〜92年 第3回十字軍(エルサレム奪還失敗) 1202〜04年 第4回十字軍(東ローマ帝国を攻撃、ラテン帝国建国) 1218〜21年 第5回十字軍(エジプト攻略失敗) 1228〜29年 第6回十字軍(エルサレムの統治権を獲得) 1248〜49年 第7回十字軍(エジプト攻略失敗) 1270〜72年 第8回十字軍(チュニスを攻撃) 1291年 十字軍国家全滅 |
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イスラエル | |
アッコー(世界遺産) | |
アッコーは、紀元前16世紀にはフェニキア人の港湾都市として成立していたといわれる。ローマ時代、イスラム時代も重要港湾都市として栄えていたが、最も注目されたのは十字軍時代であろう。第3回十字軍はエルサレム奪還に失敗したため、1192年にこの街を十字軍国家の首都とした。そして1291年に十字軍国家が全滅するまでの100年間、オリエントにおける十字軍の拠点となったのである。 遠くから見るといかにも要塞都市といった雰囲気であるが、街の中に入ってしまうと他のアラブ都市との違いがよくわからない。規模も思ったより小さく、イメージとのギャップが大きかった。 |
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2014.4 アッコー旧市街全景 | 2014.4 十字軍の騎士のホール |
☆世界遺産「アッコー旧市街」 2001年登録 | |
カイザリア | |
カイザリアも十字軍国家の拠点の1つであったため、ローマ時代の遺跡の隣に十字軍時代の遺跡があったりする。とくに門と城壁は立派なものであった。 | |
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2014.4 十字軍時代の門 | |
シリア | |
クラック・ド・シュヴァリエ(世界遺産) | |
11世紀末に始まる十字軍の城砦で、1271年に落城するまで聖ヨハネ騎士団の本拠となった。いかにも難攻不落という印象で、数百年も前のものには見えない。 | |
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1998.9 | |
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1998.9 | 1998.9 |
☆世界遺産「クラック・ド・シュヴァリエとカラット・サラーフ・アッディーン」 2006年登録 |
十字軍