芦屋地区には、戦前に芦屋鉄道が営業していたが、利用者が少なく1932年に廃止となっていた。終戦後、芦屋飛行場を米空軍が接収すると、この芦屋基地への物資輸送のため、旧芦屋鉄道の廃線跡を活用した路線が整備された。これが芦屋線で、当初は米軍基地関係者しか利用できなかった。1950年からは一般旅客利業が開始されるが、大蔵省が所有し国鉄に駅業務を委託するという特殊な路線であった。1961年の芦屋基地返還とともに芦屋線も廃止されたため、僅か10年強の営業という謎の多い路線である。

  1915.4.13 芦屋鉄道西芦屋〜遠賀川間開業
  1931.7.24 旅客営業休止
  1932.4.25 廃止
  1947.3.2  芦屋線遠賀川〜筑前芦屋間開業(米空軍芦屋基地への物資輸送用)
  1950.2.10 一般旅客輸送開始
  1961.6.1  廃止
 
廃線跡
 遠賀川〜筑前芦屋6.2km
 芦屋線の廃線跡のほとんどは、県道や国道に吸収されており、鉄道の痕跡は全く無い。下右の写真に写る団地のあたりが筑前芦屋駅だと考えられる。なお、筑前芦屋駅とは別に芦屋乗降場という駅が記載された資料があるようだが、芦屋乗降場は筑前芦屋駅構内のうち旅客用ホームがあった場所と言われており、調べれば調べるほどわからなくなる。
2016.6 遠賀川〜筑前芦屋間@ 2016.6 筑前芦屋駅跡A
 筑前芦屋駅跡に建つ団地の向かいにある公園に、SLが保存されている。しかし、これは芦屋線で使用されたものでは無い。
2016.6 芦屋町高浜児童公園に保存されているSLA
 

芦屋線