もとは四日市市内の軌道としてスタートし、戦時中に三重交通、戦後に近鉄に合併した。現在もナローゲージとして残る数少ない鉄道の1つである。近鉄は鉄道を廃止しBRT化することを計画したが、地元が鉄道存続を希望し、四日市市が第三種事業者、近鉄と四日市市が出資する四日市あすなろう鉄道が第二種事業者となる上下分離方式に移行している。
車両
 三重鉄道時代
 開業時は蒸気軌道で、1916年に鉄道となり、ガソリンカーも導入された。電化されたのは1943年で、四日市鉄道(現在の湯の山線)由来のデ50形・サハ60形が内部・八王子線に転属している。1982年の内部・八王子線近代化の際に消滅しており、保存車はない。
 三重鉄道 三重交・近鉄 両数  前歴  登場  消滅  備考
デ50形 モニ211-214 4 新造 1921.12 1982
サハ60形 サ371→モ241 1 新造 1928.8 1977
 三重交通時代
 三重交通時代の車両は、いずれも北勢線と共通の新造車である。車両の転入・転出もあったが、最終的には1982-83年の内部・八王子線近代化の際に改造を受けて、ク114-115とサ121-124の6両が誕生した。260形とともに編成を組んで、そのまま四日市あすなろう鉄道に引き継がれたが、サ120形は新造車へ置き換えられた。
2017.6 サ120形(2両目):四日市付近 
三重  近鉄 両数  前歴 登場  消滅  備考
モニ228-229 モニ227-229
→サ121-123
3 新造 1949 2018.9 1両北勢→内部
サ101-103 サ171-173 3 新造 1949 1965頃
サ161-166 サ157-162 6 新造 1950 1983頃
サ361-363 サ131-133
→ク114-115、サ124
3 新造 1954 2017.10
 近鉄時代以降
 内部・八王子線の近代化のために製造されたもので、3両編成4本と2両編成1本。新造車8両以外は、三重交通時代の車両を改造して組み込んでいた。2015年から、新260形への車体更新が始まり、同時に6両を新造して三重交通時代の車両は置換えられた。
 
2005.1 西日野駅  2017.6 四日市付近
 
2017.6 新260系:四日市付近 
形式  番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モ260形 261-265 5 新造 1982.11-83.4
ク160形 161-163 5 新造 1982.11-83.4
164-165 2017.9-18.2
サ180形 181-184 4 新造 2015.9-18.8
年表

  1912.8.14 三重軌道日永〜八王子村間開業
  1916.12.1 軌道から鉄道となる
  1922.6.21 内部・八王子線全通
  1944.2.11 合併により三重交通となる
  1964.2.1  三重鉄道の鉄道部門を三重電気鉄道に分離譲渡
  1965.4.1  三重電気鉄道が近鉄に合併
  1974.7.25 西日野〜伊勢八王子間廃止
  2014.3.27 四日市あすなろう鉄道設立
  2015.4.1 近鉄内部・八王子線を四日市あすなろう鉄道に譲渡

四日市あすなろう鉄道