チムー帝国は9世紀半ばに成立し、1375年にはシカンを征服してペルー最大の勢力となるが、1470年インカに征服されて滅ぶ。チャンチャンはその首都で、18平方kmの広さにもおよぶ世界最大の泥レンガの遺跡である。

ペルー・リベルタード州
 チャンチャン遺跡(世界遺産) 
 チャンチャン遺跡の特徴は、シウダデラと呼ばれる城壁で囲まれた区画がいくつもあることである。シウダデラは主なものだけでも10ヶ所あり、支配者が変わるたびに新しいシウダデラをつくったのではないかと考えられている。見学するのはそのうち1つだけで、その他は修復もされず崩れるままになっている。
 シウダデラの中に入ると、まず広大な広場があり、壁にはリスのようなモチーフが数え切れないほど並ぶ。といってもオリジナルは2〜3個で、あとは修復である。奥へ続く通路も壁がきれいに修復されてまわりが見えず、遺跡を見ているような感じがしない。唯一おもしろかったのはアウディエンシアと呼ばれる倉庫地区で、さまざまな動物をイメージした模様がなんとも愛らしい。しかし、やはりきれいに整備されすぎてしまっている印象であった。
2009.9 アウディエンシア 2009.9 シウダデラ内
 
2009.9 最初の広場 2009.9 アウディエンシアのモチーフの1つ 2009.9
 自由行動になるとすぐシウダデラを出た。外には、崩れ落ちた泥レンガの壁が見渡すかぎり続いていて、こちらの方がはるかに面白い。どこまでも歩いていきたい誘惑にかられて遠くまで行ってしまったら、集合時間に間に合わなかった。
 この後で、近くにあるドラゴンのワカを見に行く。同じような神殿はだいぶ見慣れてきたが、ここのレリーフはなかなか美しい。と思ったら、ほとんどは修復されていて、オリジナルはごく僅かということだった。
2009.9 シウダデラ外 2009.9 ドラゴンのワカ
 ☆世界遺産「チャン・チャン遺跡地帯」  1986年登録

プレ・インカ文明−チムー帝国