東海道線などの本線高速列車向けに開発された、最初のF級新性能電機。1次車では、ED60・61形と同じクイル式駆動が採用されたが、トラブルが多かったため、2次車以降では吊り掛け駆動に戻った。車体は、1次車のみ全長16,000mm、2次車以降は16,500mm。軸配置はBo-Bo-Bo。台車は1次車がDT115・116で、2次車以降はDT115A・116A。主電動機も異なり、1次車ではMT49B(1時間定格出力390kW)が6基、2次車以降はMT52(同425kW)が6基。制御は電空単位スイッチでバーニヤ付き、制動はEL14-ASである。最高運転速度も、1次車は90km/hだが2次車以降は100m/hに向上している。
 0番台
 貨物列車向けのもの。4次車からは2灯シールドビームとなるなど外観が大きく変わった。1986年11月に定期運用が無くなり、JR東日本に1両のみ引継がれている。

○EF60-19
 JR東日本に引き継がれ、専用塗装となって「やすらぎ」や「アメリカントレイン」の牽引に使用された。2007年に国鉄色に戻り、長く現役で活躍していたが、2019年に廃車となっている。
 
2015.12 EF60-19 大宮駅
○EF60-47
 1灯タイプの3次量産車。1985年に廃車となったが、茶色のカットボディが大宮車両所で保存されている。

○EF60-123
 EF60の中でも後期に製造された、2灯シールドビームの車両。1987年に廃車となり、足利駅の駅前広場で保存されている。
 
2018.5 大宮車両所 2017.1 EF60-123:足利駅前
 500番台
 ブルートレイン牽引用として登場したもの。EF65形の登場後は、貨物列車にも使用された。JR西日本にEF60-503が引継がれたが、結局一度も使用されることなく2008年に解体されている。

○EF60-501
 1986年の廃車後、高崎運転所で保管されていたもので、碓氷峠鉄道文化むらに移設して展示されている。
 
2016.5 EF60-501 碓氷峠鉄道文化むら
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
EF60 1-2 2 新製 1960.1 2019.7.3 先行試作車
3-14 12 1960.7-60.9 1次
15-129 115 1962.6-64.10 2-5次
501-514 14 1963.10-64.7 2008.11
車両配置表
1964 1968 1972 1975 1977 1980 1982 1985 1987 1990 1995 2000 2005 2010 2015
高崎 21 73 1 1 1 1 1 1 1
東京 10
新鶴見 21
八王子 15 18
沼津 15 32 32 32 32 19 18 21
浜松 24 28 29 29 27 24
稲沢 23 17 5
米原 19 26 18 16 13 12
宮原 1 1 1 1 1
吹田 25
岡山 25 40 35 35 32 27 9
瀬野 3
広島 18 17 29 28 29 14 18
下関 8

EF60形