津市の中心部と久居を結んだ大日本軌道が前身。1920年に中勢鉄道となって、久居以遠が鉄道として建設され、軌道線と鉄道線との直通運転が行われていた。しかしすぐそばに名松線や参宮急行(現近鉄)が開業したことで利用者が激減し、戦時中に廃止されている。

  1908.11.10 大日本軌道伊勢支社久居町〜神戸村間開業
  1909.1.10 神戸村〜岩田橋間延伸
  1917.5.8  阿漕支線(国鉄連絡線)開業
  1920.2.17 全線を中勢鉄道に譲渡
  1921.12.1 鉄道線久居〜大迎間開業(25.7.1大迎〜二本木間延伸)
  1925.11.27 二本木〜伊勢川口間延伸
  1942.12.1 軌道線岩田橋〜久居間、阿漕支線廃止
  1943.2.1  全線廃止
    
廃線跡
 岩田橋〜伊勢川口 20.7km
 久居の市街地には鉄道の痕跡が何もないようなので省略して、戸木あたりから探訪開始。このあたりの廃線跡は国道165号に吸収されているが、七栗から国道を離れて細い道になる。鉄道らしくゆったりとしたカーブを描いていて雰囲気が残っている。
2015.2 戸木駅付近@ 2015.2 其倉〜石橋間A
2015.2 石橋駅跡B
駅は道路脇に木があるあたり
2015.2 大迎駅付近C
 誕生寺駅はホームが残っているばかりか、案内板まで立っていた。廃線跡めぐりをする人はそんなに多いのだろうか。誕生寺の少し先で道路は途切れ、小さな川に橋台が残っていた。ただ、亀ヶ広の先にあるもう1つの橋脚は見つけられなかった。
2015.2 誕生寺駅跡D 2015.2 誕生寺〜亀広間E
2015.2 誕生寺〜亀ヶ広間E 2015.2 亀ヶ広〜伊勢二本木間F
 雲出川には、この路線のハイライトとも言える立派な橋脚が残っている。川の南側には、民家の石垣と一体化したような橋台があり、さらに少し離れた田んぼの中にも橋脚があった。終点の伊勢川口駅は名松線の駅の隣で、ホームらしきブロックが残っている。
2015.2 広瀬〜伊勢川口間G
雲出川橋梁
2015.2 広瀬〜伊勢川口間G
雲出川橋梁の伊勢川口方橋台
2015.2 広瀬〜伊勢川口間G 2015.2 伊勢川口駅跡H
左の木の下にホームの残骸、右は名松線ホーム 
 

中勢鉄道