越前本線の前身は京都電燈で、戦時中に電力部門から鉄軌道部門が切り離されて京福電鉄が設立された。福井エリアでは、三国芦原鉄道、永平寺鉄道、丸岡鉄道を合併したが、永平寺線の大部分と丸岡支線は1960年代に廃止された。2000年12月と2001年6月には、続けて正面衝突事故をおこしたため全線営業休止となり、京福電鉄は福井エリアから撤退。第三セクターのえちぜん鉄道として、2003年7月に営業を再開している。.
 
2022.4 中角〜新田塚間
戦前
 旧京都電灯
 京都電灯開業時の車両は木造単車で、1927年にボギー車のホデハ201が登場した。京都電灯時代のボギー車は、多くが1970年代まで使用されていた。また、電気機関車も戦前まで長く使用されたものが多く、1920年製造のテキ6は1993年に一度車籍を失ったものの1999年に現役復帰し、勝山駅で動態保存されている。
 
2017.11 テキ6:勝山駅
種類 形式  前歴 両数 登場 消滅 備考
EC デハ5-15 新造 11 1914 1949
ホサハ17-22 新造 6 1920 1972.2
ホデハ201-02 新造 2 1927 1972.8
ホデハ211-12 新造 2 1928 1972.8
ホデハ221-25 新造 5 1930 1975?
ホデハ231-33 新造 3 1937 1975?
EL テキ4-5 九州水力 2 1919 1948
テキ6-11、20 新造 6 1920 2004.5
テキ501 庄川水力 1 1936 1980.11
テキ511-12 国鉄EC40形 2 1942 1970.7
 旧三国芦原
 現在の三国線で、戦時中に京福電鉄に合併している。三国芦原電鉄時代の電車は基本的に開業時に登場した11形のみであるが、火災復旧車が21形に分けられている。どちらも1970年代まで使用された。   
種類 形式 両数  前歴 登場 消滅 備考
EC ホデハ11-20 10 新造 1928 1975?
ホデハ21 1 ホデハ20 1935 1975?
戦後〜1970年代
 旧型車
 ホデハ241形は叡山線からの転入車、ホデハ1001形は名鉄3800形に似た新造車、そしてホサハ61形は戦災車の車体新造復旧などと、出自はいろいろである。ホデハ241形は1957年に車体を新造し、火災復旧車のホデハ251形と同じ車体になっていた。最後まで使用されたのはホデハ251形だったが、2000年12月にブレーキが故障し正面衝突事故を引き起こしてしまった。
左:ホデハ261形、右:ホデハ1001形
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
ホデハ241形 241-244 4 叡山デナ11-14 1944 1991.3
ホデハ251形 251-254 4 ホデハ15等 1958.3 2002.3
ホデハ301形 301-304 4 東急デハ3250形 1947 1975頃
ホデハ1001形 1001-03 3 新造 1949.7 1981.11
ホサハ61形 61-62 2 ホサハ18・20 1948.12 1972.4
ホデハ261形 261-263 3 京王デハ400形 1963 1976
ホデハ271形 271-273 3 相鉄モハ1000形 1965.7 1987.6
ホデハ281形 281-284 4 東急デハ3300形 1975.10-76.11 1986.11
ホデハ2001形 2001-16 16 南海1201形 1972 1985.7
ホクハ31形 31-32 2 阪神861形(車体) 1964 1974
 3001形
 南海電鉄から譲り受けた、京福電鉄初のカルダン駆動車。1両のみがえちぜん鉄道に引き継がれたが、営業運転を行うことなく廃車となった。
 
モハ3001形
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ3001形 3001-08 8 南海11001形 1974.6 2004.10  
 テキ521・531形  
 テキ521形は、終戦直後に登場した日立製凸型機。60年以上経過した今も車籍を残しており、除雪やイベント等で走行している。
 
2018.3 テキ521形:福井口車庫
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
テキ521形 521-22 2 新造 1949.6
テキ531形 531 1 国鉄ED2811 1964.3 1980.11
1980年代以降
 1101・2101・2201形  
 いずれも阪神電鉄から譲り受けた車体を使用しているが、モハ1101形はモハ1001形の更新、モハ2101形はモハ2001形の更新で、モハ2201形のみが純粋な譲受車となる。7000系への置き換えにより、2014年までにすべて消滅した。 
モハ2201形(えちぜん鉄道塗装)
 形式 番号 両数 前歴 登場  消滅  備考
モハ1101形 1101-02 2 モハ1001形 1981.12 2014.11 阪神5101形車体
モハ2101形 2101-16 16 モハ2001形 1982.6-85.7 2013.12 阪神5231形車体
モハ2201形 2201-04 4 阪神3301形 1986.8-11 2014.11
 5001形  
 京福電鉄の近代化のため、沿線自治体の補助により導入された新造車。ただし機器は豊橋鉄道1900系などから流用している。2両が製造されたが、このうち1両は2001年6月の列車衝突事故により大破し、京福電鉄営業休止につながることとなった。残りの1両はえちぜん鉄道に引き継がれている。1両しかない上に運用のパターンも決まっていないので、全国の営業車両の中で見るのに最も苦労した車両の1つである。
 
2022.4 観音町〜越前島橋間
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ5001形 5001-02 2 新造 1999.12
えちぜん鉄道設立後
 6001・6101形  
 えちぜん鉄道となって最初に導入されたもので、愛知環状鉄道100・300形の譲受車。MC6001形は片運2両編成、MC6101形は両運である。愛知環状鉄道100形は片運だったため、200形の運転台をつないで両運化した車両もある。
 
2005.5 6101形:勝山駅
 
 2016.7 6001形:田原町駅 2021.6 6101形:越前開発〜福井口間
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
MC6001形 6001-02 2 愛知環状100形 2003.9-10
MC6101形 6101-12 12 愛知環状100・300形 2004.4-06.10
 7001形  
 JR119系を譲り受けたもので、えちぜん鉄道初のMc-Tc固定編成となった。運転台などが改造されているため、JR時代とは外観が大きく異なっている。2013年2月に営業運転を開始した。
2022.4 鷲塚針原〜中角間
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
MC7001形
TC7001形
7001-12 12 JR119系 2013.2-12
 L形
 えちぜん鉄道に軌道線は無いが、福井鉄道との相互直通運転を行うために導入された軌道線向けLRV。2車体連接の低床車で、ki-boという愛称がある。2016年3月から営業運転を始めている。 
 
2018.3 福井駅前付近  2022.4 鷲塚針原〜中角間
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
L型 L01-02 2 新造 2016.3
形式別車両数
種類 形式 1940 1954 1964 1972 1981 1985 1990 1995 2000 2004 2010 2015 2020
EC 京都電灯 26 16 12 11
永平寺 11 11 9 2
三芦 10 10 8 7
丸岡 4 4 4 1
合併後小型 13 23 24 17 14 7 2 2
モハ2000形 16 16 4
モハ3001形 8 8 8 6 6 2
モハ1101形 2 2 2 2 1 1
モハ2101形 12 16 16 14 14 8
モハ2201形 4 4 4 3 1
モハ5001形 2 1 1 1 1
モハ6001形 2 2 2 2
モハ6101形 2 12 12 12
モハ7001形 12 12
L形 2
EL 9 8 8 5 3 3 3 3 3 2 2 2 2
年表

  1914.2.11 京都電燈:新福井〜市荒川間19.4km開業
  1918.9.1  新福井〜大野三番(後の京福大野)間36.8km全通
  1928.12.30 三国芦原電鉄:福井口〜芦原間19.1km開業
  1929.1.31 芦原〜三国間4.2km延伸
  1929.9.21 京都電燈:福井〜新福井間0.1km延伸
  1942.3.2 京福電気鉄道を設立し、京都電燈の鉄軌道事業を引継ぐ
  1942.8.1 三国芦原電鉄、鞍馬電気鉄道を合併
  1944.10.11 三国線:三国〜三国港間1.0km延伸
  1944.12.1 永平寺鉄道、丸岡鉄道を合併
  1968.7.11 丸岡線廃止
  1971.3.1  三国芦原線の貨物営業廃止
  1974.8.13 越前本線:勝山〜京福大野間8.6km廃止
  1980.10.26 越前本線の貨物営業廃止
  2001.6.24 正面衝突事故、翌日から福井地区の運行休止
  2002.10.21 永平寺線廃止
  2003.2.1  福井地区の鉄道事業をえちぜん鉄道へ譲渡
  2003.7.20 営業運転再開
  2016.3.27 福井鉄道との直通運転開始
  

えちぜん鉄道