叡山本線は、現在の嵐電やえちぜん鉄道の路線を所有していた京都電灯が開業させた路線。鞍馬線を開業させた鞍馬電気鉄道も京都電灯の子会社である。戦時統制により京都電灯が解散したため京福電気鉄道の路線となっていたが、経営状況がきびしく1986年に分社化されている。
2016.11 鞍馬駅
戦前
 旧京都電灯・鞍馬電気
 叡山線開業当初の車両は木造ボギー車のデナ1形・デナ11形だったが、1928年には半鋼車が登場する。デナ21形は京都電灯、デナ121形は鞍馬電気鉄道が導入したが、ほぼ同一仕様の14m級だった。戦後も長く使用され、1994年11月にさよなら運転を行って引退している。デナ21のカットボディが鞍馬駅前に残されている。
2016.11 デナ21:鞍馬駅前
形式 番号 両数  前歴 登場 消滅 備考 
デナ1形 1-6 6 新造 1925 1964
デナ11形 11-14 4 新造 1926 1944
デナ21形 21-24 4 新造 1929 1995.4
デナ121形 121-126 6 新造 1928 1994.3
デワ101形 101 1 嵐山線1形 1927 1974?
戦後・京福電鉄時代
 デオ200・300形・デナ500形
 デオ200形とデオ300形は戦後の新造車で、デオ300形はカルダン駆動が採用されている。いずれも機器等をデオ720・730形に譲って引退した。一方、デナ500形はデナ1形を置き換えるために阪神800形を譲り受けた、叡山電鉄唯一の他社からの譲受車。デオ200・300より早く1983年までにすべて廃車となり、一部はデオ600形に機器等を提供している。
デオ300形
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
デオ200形 201-204 4 新造 1951.1 1988.7 →デオ720形
デオ300形 301-302 2 新造 1959.5 1988.12 →デオ730形
デナ500形 501-510 10 阪神800形 1964.4-6 1983.4 →デオ600形
 デト1000形
 叡山線向けの電動貨車で、嵐山線モト1001と同仕様。機器等は京都市電600形のものを流用している。
2016.11 修学院車庫
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
 デト1000形 1001 新造   1974    
 デオ600形
 デナ500形の機器を流用して車体を新製したもの。全長は種車より長い15700mmになっている。吊掛け駆動の非冷房であったため、1997年には早くも廃車が始まり、2008年11月にさよなら運転をおこなって引退した。保存車は残されていない。
1992.12 鞍馬駅
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
デオ600形 601-606 6 デオ500形 1979.1-80.8 2010.3
叡山電鉄設立後
 710系
 デナ21形、デオ200形・300形の台車や機器を流用し、車体を新造したもの。くの字の前面形状など従来車とまったく異なるスタイルになった。叡山電鉄初の冷房車で、デオ730形は当初からカルダン駆動、デオ710・720形も後にカルダン駆動化されている。おもに単行のワンマン車として使用されている。2018年2月、デオ732が観光列車「ひえい」に改造された。
2016.11 デオ710形:茶山駅 2016.11 デオ720形:修学院駅
2016.11 デオ730形:茶山駅 2018.4 デオ730形「ひえい」:茶山駅 
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
デオ710形 711-712 2 デナ21形 1987.7-8
デオ720形 721-724 4 デオ200形 1987.10-88.7
デオ730形 731-732 2 デオ300形 1988.12
 800系
 京阪鴨東線開業に伴う利用者の増加に対応するために登場した、叡山電鉄初の2両固定編成。デオ800・850形はユニット方式の完全な新造車で、デオ810形は京阪500形の機器を流用した1M方式となっている。
2018.4 800形:茶山駅
.2016.11 810形:茶山駅 2016.11 810形:修学院駅 
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
デオ800形
デオ850形
801-802
851-852
4 新造 1990.10-92.10
デオ810形 811-816 6 新造 1993.4-95.4
 900系
 デオ600形の置き換えと、観光客を呼び込むことを目的として登場したもので、愛称は「きらら」。眺望を重視し、天井までまわりこむ大きな窓が特徴である。901編成はメイプルレッド、903編成はメイプルオレンジの塗装で、おもに鞍馬系統で運用されている。
2016.11 茶山駅付近 
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
デオ900形 901-904 4 新造 1997.10-98.9
形式別車両数
種類 形式 1930 1954 1968 1981 1986 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
EC デナ1形 6 6
デナ11形 4
デナ21形 4 4 4 4 4 2 2
デナ121形 6 6 4 4 4 4
デオ200形 4 4 4 4
デオ300形 2 2 2
  デナ500形 10 2          
デオ600形 6 6 6 6 2 2
700系 8 8 8 8 8 8 8
800系 8 10 10 10 10 10
900系 4 4 4 4 4
  デワ100形 1 1 1  
デト1000形 1 1 1 1 1 1 1 1 1
年表

  1925.9.27 京都電灯:出町柳〜八瀬(現・八瀬比叡山口)間5.6km開業
  1928.12.1 鞍馬電気鉄道:山端(現・宝ヶ池)〜市原間5.7km開業
  1929.12.20 鞍馬電気鉄道:山端〜鞍馬間9.0km全通(現在は8.8km)
  1942.3.2  京福電気鉄道に譲渡
  1986.4.1  叡山電鉄が叡山本線・鞍馬線を引継ぎ営業開始

叡山電鉄