ワステカ族は、紀元前の時代に南方から移住し、テオティワカンが衰退してからアステカ帝国が繁栄するまでのメキシコ湾岸で、独自の文化を築いたと考えられている。しかし文字の資料が少なく、謎が多い文化である。

ベラクスル州
 エル・タヒン遺跡(世界遺産) 
 9世紀から13世紀頃にかけて栄えたと考えられる都市遺跡。ワステカ族のものと考えられているが、トトナカ族という説もあり謎が多い。球戯場が多く発見されているため、アメリカ大陸における古代球技発祥の地とも言われている。
 入口に近いアローヨ広場を取り囲む建物は、どれも壁龕と呼ばれる窓のような穴があいていて、他では見られない不思議な雰囲気がある。以前はいくつかの建物に登れたようであるが、もう登れる建物は1つもなくなっていた。
2017.9 建造物16 2017.9 球戯場
 エル・タヒンを有名にしたのは、壁龕のピラミッドである。6〜7世紀の建物と考えられ、壁龕の数が1年とおなじ365個ある。当時は壁龕1つ1つに神像が置かれていたと言われているが、本当かどうかはわかっていない。 
 
2017.9 壁龕のピラミッド 2017.9 壁龕のピラミッド側面 
2017.9 建造物23・3と壁龕のピラミッド 2017.9 建造物5
 壁龕のピラミッドから奥へ進むと、少し高くなった丘の上にあるタヒン・チコにたどり着く。ここの建物は1つ1つ異なる装飾があるため、貴族の居住区ではないかと考えられている。渦巻き模様はラーメンを思わせて印象に残った。また、タヒン・チコには遺跡全体をみわたす展望台があったが、天気が悪くいい写真は撮れなかった。
2017.9 タヒン・チコより 右が壁龕のピラミッド
2017.9 タヒン・チコの建造物 2017.9 タヒン・チコの建造物
 ☆世界遺産「古代都市エル・タヒン」  1992年登録

ワステカ文化