エストニアの最初の支配者は、1219年に進出したデンマークである。14世紀にはドイツ騎士団領となるが、ハンザ同盟に加盟していたタリンは繁栄を続けた。しかし16世紀以降はスウェーデンとロシアの争奪の地となり、第二次世界大戦前の僅かな期間を除いて大国の支配を受け続けた。

 1219年 デンマーク、北部エストニア占領
 1285年 タリン、ハンザ同盟加盟
 1343年 北部エストニア、デンマークからチュートン騎士団に売却される
 1558年 リヴォニア戦争、ロシアが侵攻する
 1561年 スウェーデンが侵攻し、エストニア公国成立
 1700〜21年 大北方戦争、エストニアはロシア領となる
 1918年 エストニア独立宣言
 1940年 ソ連に併合される
 1990年 エストニア独立宣言

エストニア
 タリン(世界遺産)
 タリンは、かつてはドイツ名でレファルと呼ばれ、ハンザ同盟に加盟していた商業都市である。現在も旧市街がほぼそのまま残っている。
 まずは13世紀にデンマーク人が城を築いたトームペアの丘へ。いちばん目立つアレクサンドル・ネフスキー教会は、1901年に建てられた新しいものである。丘の中央にある大聖堂は、タリンで最も古い教会であるが、中に入ることができなかった。
2014.9 アレクサンドル・ネフスキー教会 2014.9 大聖堂
 トームペアの丘には、旧市街を見下ろす展望台が2ヶ所あって、どちらも景色が素晴らしい。下の写真は丘の北端の展望台からで、城壁の塔が並ぶ様子が印象的だった。
2014.9 トームペアの丘より 奥は聖オレフ教会
  トームペアの丘から坂を下ると、間もなく市庁舎広場に出る。ここには15世紀頃からある、世界で最も古いといわれる薬局もある。午前中は広場周辺の散策を楽しんだ。
 
2014.9 市庁舎広場 2014.9 薬局 
  市庁舎広場に面したレストランで昼食をとった後は、自由行動である。まず聖ニコラス教会を見た後、ヘルマン・タワーから城壁に登った。さらにそこから旧市街の北側に向かい、タリンで最も高い聖オレフ教会の塔に登る。ここは1267年の建設で、現在は高さ124mだが、かつては159mあり、世界で最も高い塔だったと言われる。眺めは最高だったが、ちょうど空が黒い雲に覆われてしまって残念である。
 
2014.9 ヘルマン・タワーより  2014.9 聖オレフ教会より
奥は聖ニコラス教会とトームペアの丘
  この街は城壁めぐりも楽しい。ふとっちょのマルガリータはタリンのシンボル的な塔で、隣の小さい塔とのアンバランスが面白かった。ラボラトゥーミ通りの南にある修道女の塔にも登ったが、ここはあまり眺めがよくなかった。
2014.9 ふとっちょのマルガリータ 2014.9 ラボラトゥーミ通り
  聖オレフ教会と城壁めぐりに時間をかけたので、その後聖霊教会に入ったら、もう夕暮れ時になってしまった。夕陽はやはりトームペアの丘の展望台へ。朝とは違う陽の当たり方で、旅の最後を飾るにふさわしい眺めだった。
2014.9 トームペアの丘より
 ☆世界遺産「タリン歴史地区」 1997年登録

エストニア公国